英国陸軍の兵士たちは、ヨーロッパで実施されたNATO軍の演習としては過去最大規模の演習の一環として、凍えるような気温の中で次世代の榴弾砲の実射演習を初めて実施しました。
北極圏の外側で気温が摂氏マイナス3度まで急降下する中、350名の陸軍兵士が、NATOの最新加盟国であるフィンランドを含む28カ国の兵士たちとともに、演習「ダイナミック・フロント25」に参加しました。
11月14日に始まった12日間の訓練中、陸軍は迅速な展開を目的とした完全自動砲システムであるアーチャー自走榴弾砲を使用した初の射撃演習を行い、その能力を示しました。このシステムは、射程距離50kmで毎分8発以上の発射が可能です。昨年スウェーデンから緊急調達されました。
また、訓練では、敵軍の砲兵部隊探知レーダー「TAIPAN」や、1分以内に最大12発のロケットやミサイルを発射できる英国の多連装ロケットシステムも実演されました。
この演習は、今後数か月にわたり4か国で実施されるNATO Dynamic Front 25シリーズの最初の演習であり、北極圏から黒海に至るまで、同盟国間の実弾砲撃能力の調整を目的としています。この演習は、欧州の安全保障を国防の優先事項とし、GDPの2.5%を国防費に充てることを公約している「NATO第一」の防衛戦略を強化するものです。
国防大臣のルーク・ポラード下院議員は次のように述べました。
「強力なアーチャー自走榴弾砲の実射演習が成功したことは、英国の安全を国内で確保し、国外で強固なものにするために、軍に最新の戦闘用兵器を装備していることを示しています。今回の合同演習は、NATOに対する揺るぎないコミットメントを再確認し、欧州全域における新たな脅威への対応と侵略の抑止に対する我々の集団的な準備態勢を実証するものです。
この演習では、NATOの先進技術に焦点が当てられ、NATO加盟国のさまざまな軍事システムが兵士たちによって接続されました。これにより、共有された情報をもとに、戦場全体で迅速な対応が可能になりました。
英国がエストニアとの新たな防衛ロードマップの締結により、NATOの東側を強化すると発表してから1か月後のことです。この共同宣言により、エストニアに配備されている部隊に加え、数千人の英国軍部隊がNATOの東側を防衛する高い即応態勢を維持することになります。また、NATO同盟国との長距離ミサイル開発における協力関係も強化され、同盟国全体の防空能力が向上し、英国の防衛産業に新たな機会がもたらされることになります。フィンランドがNATOに加盟して以来、主要な国際軍事演習を主催するのは今回が初めてです。これは、ウクライナが11月19日に戦争開始から1,000日を迎えたことを受けて実施されます」。
情報源:Market Forecast社
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