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5大ネットワークのストリーミング事業の成績(3の3)

5大ネットワークのストリーミング事業の成績(3の3)

5大ネットワークではDisneyがSVODサービスに参入し、6年目に入り、加入者は1.32億を超えている。NBCUniversalのPeacockはDisney+より7か月遅れで開始になり、加入者は2025年末で4400万人である。Disney+は世界で提供されているが、Peacockはアメリカのみであり、カナダでも提供されていないことが加入者が少ない理由の1つである。

もう1つの理由はコンテンツ不足である。PeacockにはNBCUのUniversalスタジオの映画、地上波のNBCとTelemundo(スペイン語放送)、多チャンネル向けネットワークのBravo、USA Network等からのコンテンツがある。しかし、NBCUにはWBDのHBO、ParamountのShowtimeの様な有料チャンネルがない。USA Networkはドラマで知られていたが、現在はドラマ制作から撤退している。また、NBCUniversalにはDisney Channel、Nickelodeon等の家族向けに重要な子供向けのコンテンツも少ない。

2025年度のストリーミング事業の成績

事業者ストリーミング売上ストリーミング利益有料加入者成績
YouTube$620億*不明3.5億**A
Netflix$452億$127億税引前利益3.25億A
Disney***$246億$13億営業利益1.32億Disney+B
6410Hulu
2490ESPN+
WBD$109億$14億EBITDA1.32億B-
Paramount$86億-$2億OIBDA7960万C
NBCUniversal$54億-$11億営業利益4400万C-
Fox不明不明不明500万~600万**** 

*推定  **Google One加入者を含む  ***Disneyは9月締め ****Fox NationとFox Oneの合計

Peacockはコンテンツの不足をスポーツで補っている。PeacockはNFL、MBA、イギリスのプレミアリーグ、夏季と冬季のオリンピック等を配信している。さらに、NBCUは2026年からNBAの権利をWBDから奪い取っている。しかし、スポーツ権利は高価である。また、ヒットドラマの様なロングテール効果はなく、シーズンオフ中に加入者を失う可能性がある。このため利益率は悪く赤字が続いている。Peacockの2025年度は$54億で、赤字は$11億であった。2026年Q2には黒字になると発表されているが、コンテンツ不足の問題は未解決であり、成績はC-。

Foxは2020年にTubiの買収でFASTサービスには参入しているが、SVODには未参加であった。Foxは映画スタジオ、FX等の多チャンネル向けネットワークを2019年にDisneyに売っているので、SVODを提供するのに必要な豊富なコンテンツが無い。地上波ネットワークのFox、スポーツ専門のFox Sports、ニュース専門のFox Newsへ専念することで放送事業の業績は良いが、ストリーミングへの移行が出来ていない。地上波のFoxの番組はHulu等で配信され、古いものはTubi等で配信されており、ストリーミング収入はある。また、ニュース専門のFox Nationの加入者は250万人程度ある。しかし、Foxとしてのストリーミングサービスは不在であった。

問題はスポーツの配信である。Foxはスポーツに力を入れ、今年のワールドカップもFoxが権利を持っている。しかし、視聴者はストリーミングに移行しており、ストリーミング無しでは視聴者は減っていく。だが、FoxのTV番組とスポーツだけで、SVODを作るのは困難である。

FoxはDisneyとWBDの3社のジョイントベンチャーのVenu Sportsでこの問題を解決しようとした。Venu Sportsは3社が放送(地上波と多チャンネル)のみで提供している試合とスポーツ番組をストリーミングする サービスであった。しかし、vMVPDのFubo TVがこれを独禁法違反で訴え、サービスは中止になった。仕方なく、FoxはFox Oneをスタートさせた。Fox Oneは基本的にFox、Fox News、Fox Sportsのチャンネルを同時配信するサービスである。オンデマンドもあるが、Foxが注力しているニュースとスポーツにはライブ視聴が主体である。価格は多チャンネルサービス事業者から得ている再送信料と同等にするために、$20と高価である。しかし、Foxに$20を払うのであれば、ESPN、NBC、それにWBDのスポーツもある$65のYouTube TVのSportsプランに加入した方が良い。

Fox Oneの加入者は300万人程度でしかなく、Fox Nationを加えてもFoxのストリーミングサービスへの有料加入者は500万から600万人程度である。SVODとしての成績はFだが、FoxのTubiはRoku Channelに次ぐ、第2位のFASTサービスであることを加味し、Dだ。

しかし、FoxはRokuを$220億で買収することで、大逆転を狙っている。Rokuはアメリカ最大のTV OSの会社で、自社でストリーミング・デバイスとスマートTVを販売する以外、Hisense、TCL等多くのベンダーにRoku OSをライセンスしている。CTVデバイス市場におけるRokuのシェアは40%近い。しかし、デバイスの販売とライセンス収入はRokuの売上の10%以下であり、広告とストア(アプリの販売)が大きな収入源である。

FoxはRoku Channelを得ることで最大のFASTプラットフォームになるが、Rokuはコンテンツ事業者では無いので、SVODサービス参入への解決にはならない。だが、Rokuはストリーミン市場では大きな影響力を持っている。RokuはRoku Channelだけでなく、プラットフォームを利用しているストリーミングサービスの広告販売もしており、CTV広告の大手であり。また、CTVでの視聴時間ではRokuデバイスのシェアは60%あり、Rokuとアプリ契約が出来なければ、Netflixでも多くの視聴者を失うことになる。FoxはRokuを利用することで、自らが大きなSVODプレーヤーにならずに、広告とサブスクリプションの大きなプラットフォームになることが出来る。

問題はFoxに全く未体験のハイテク会社の運営が出来るかである。FoxはRokuを吸収するのではなく、別会社として運営する。しかし、舵取りはFoxが行う。RokuがTV OSでAmazon、Google、Apple等を相手に、成功をして来た理由はインデペンデントな会社であったからだ。Foxの影響が強くなると、利用者を失っていくリクスがある。

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fromUSAのコラムは今回が最後になります。長い間のご購読をありがとうございました。

 

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