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NexstarによるTegna買収のインパクト

NexstarによるTegna買収のインパクト

アメリカ最大の放送局所有会社のNexstarは3位のTegnaを$62億で買収しようとしている。$1100億のParamount SkydanceによるWarner Brothers Discovery買収に比べると規模は小さいが、放送業界にもたらすインパクトは同様に大きい。

Tegna買収は2つの放送局所有規制に触れている。1つは会社が所有出来る放送局の世帯リーチ率を39%としている規制である。この規制にはループホールがあり、UHF局のリーチは半分に計算することが出来る。アナログ放送時代の残り物である。殆どの局はUHFなので、実質のリーチ率上限は78%になる。もう1つの規制は1つの地域で2つ以上の大手局を所有することを禁じている。大手局とはABC、CBS、Fox、NBC加盟局のことである。

Nexstarの現在の世帯リーチ率はUHF局を半分としても39.1%で、すでに規制を0.1%超えている。Tegnaを買収すれば、同社は44州で265局を持ち、実質リーチ率は80%程度になる。また、複数局を所有する地域も増え、2つの大手局を持つ地域もある。NexstarはFCCに対して規制の免除を求め、FCCはこれを認めた。しかし、DirecTV、それにカリフォルニア等の8つの州がこれを阻止する訴訟を起こしており、法廷は一時的に合併を阻止した。DirecTVはNexstarがさらに多くの数の放送局を持つことで多チャンネルサービス事業者との再送信契約の金額を値上げすることが可能になり、独立禁止法に触れると訴えている。

FCCは所有規制の書き換えを行ったのではなく、NexstarのTegna買収を規制から免除した訳だ。しかし、この合併が認められれば、規制を廃止したと同様であり、放送局の統合が起きる。放送局の広告と再送信収入は減っている。より多くの局を持つことで、局の運営、ニュース制作、広告販売等を統合し、コスト削減が可能になる。FCCは放送局所有会社の規模を大きくすることで、トランプ政権の言うことを聞かないABC等のネットワークの勢力を奪うことが出来ると考えている。

放送局所有規制の廃止により、統合が進めば放送局が生き残る可能性は増すかも知れない。しかし、逆に地上波放送の終わりを加速させる可能性もある。ABC等の地上波ネットワークは大都市で放送局を所有している。大都市の放送局の資産価値は高いが、売ることは困難である。他の放送局所有会社が購入すれば世帯リーチ、あるいは複数局所有規制に触れる。規制が廃止になれば、ネットワークが地上波局を手放すことが可能になる。

Disney、NBCUniversal等は放送事業からストリーミングに移行をしようとしている。NBCUniversalはすでに、多チャンネルサービス向けネットワークを手放している。しかし、地上波局を持っている限り、地上波ネットワークから撤退することは出来ない。放送局所有規制の廃止により所有する放送局数を減らし、地上波ネットワーク事業から撤退することが可能になる。地上波局が統合し、生き残ることが出来ても、ABC等が地上波向けコンテンツの制作を減らして行けば、視聴者は居なくなっていく。

 

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