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Peacockはなぜ黒字化できないのか

 TVネットワークの中で、ストリーミングサービスで最も成功しているのはDisneyである。Q3の時点でのアメリカとカナダの加入数はHuluが6410万人、Disney+が5930万人であった。Warner Brothers Discovery (WBD)のHBO MaxとDiscovery+のアメリカでの合計加入者数は5800万人である。Paramount+のアメリカの加入者数は発表されていないが、世界では7910万人で、アメリカは5000万人程度と思われる。

 NBCUniversalのPeacockは2025年のQ1からQ3の9ヶ月間、加入者数の成長はなく、4100万人で停滞していた。Q4には4400万人に増えたが、赤字も増えた。$5.52億の差損で、Q3の$2.17億から倍増している。Disney、NBCUniversal、(WBD)、Paramountの4ネットワークの内、ストリーミングサービスの赤字が続いているのはNBCUniversalだけである。

 DisneyのSVODサービス(HuluとDisney+)は2024年に黒字化し、Q4の営業利益は$4.5億であった。WBDのHBO MaxとDiscovery+は2023年1Qに最初の黒字を出し、2025年Q4のEBITDAは$3.45億であった。Paramountのストリーミング事業の黒字化は遅れたが、Q3のOBIDAは$3.4億で、WBDと同じ規模になっている。

 Peacockが苦戦している理由はコンテンツである。Disneyのコンテンツでの強さは言うまでもない。WBDにはHBO、ParamountにはShowtimeと言う有料チャンネルがあり、多くのヒット作品がある。NBCUniversalは有料チャンネルを持たないので、Peacock向けに制作する必要があり、制作コストが増える。HBOとShowtime向けに制作されているドラマはケーブルTVの有料チャンネルとストリーミングサービスで配信されているので、制作コストは2つの事業で分けることが出来るが、NBCUniversalの場合、Peacockのオリジナル制作コストはすべて自分の負担になる。

 NBCUniversalにはドラマに注力していた多チャンネル向けネットワークのUSA Networkがあった。しかし、多チャンネルサービスの加入者が大きく減ったことから、昨年にはUSA Networkはドラマ制作を止めた。さらに、NBCUniversalは今年の1月にUSA Network、MSNBC等の多チャンネル向けネットワークを別会社として分離しているので、Peacockはコストを多チャンネル向けネットワークと分けることは出来ない。

 NBCUniversalがドラマ主体でPeacockを成功させることは困難であり、スポーツで加入者を得ようとしている。今期からバスケットボールのNBAの権利をWBDから奪い取り、11年ぶりにNBA試合中継に戻った。Q3に加入者が300万人増えたのはこのお陰である。2月にはスーパーボウルがあり、冬季オリンピックもPeacockが全試合を配信する。これにより、2026年Q1の加入者数も大きく増えると予想出来る。しかし、スポーツはドラマ以上に金がかかる。また、シーズンオフに加入者を失う可能性も高く、Peacockが黒字化するのはまだ先のことになるであろう。

 

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