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映画興行売上は2019年より20%減少

映画興行売上は2019年より20%の減少

パンデミックにより映画館が閉鎖になったことで、2020年の興行売上は$20億で、2019年の$112.2億の20%以下の規模に落ちた。2023年は$99億になり、復活したように見えた。しかし、2024年は$86億に落ち、2025年はまだ1ヶ月間残っているが、11月末時点での映画興行売上は$86億で2019年比で23%の減少、過去最大であった2018年の$119.5億からは28%の減少である。

映画館に行くのではなく、家でのストリーミング視聴が増えたことが大きな原因であるが、経済的な理由もある。頻繁に映画を見に行くことの家計への負担は小さくない。2025年の平均チケット金額は$11.31で、2019年から23%増えている。パンデミックによる観客数の減少をチケット代の値上げで埋めようとした訳だが、動きは2002年から始まっている。

観客動員数としては2002年がピークで、157.6億枚のチケットが販売された。2008年には136億枚に減ったが、値上げにより売上は$92億から$97.5億に増えている。観客数の減少は2000年前半から起きていたのが、パンデミックにより加速した。対策はさらなる値上げであるが、値上げは映画館離れも加速させている。

多チャンネルサービスと同じ状況である。多チャンネルサービスへの加入率は2009年の87%がピークであったが、値上げにより売上は増えていった。しかし、頻繁な値上げにより、多チャンネルサービスは家計への負担となり、コードカッティングが始まった。多チャンネルサービスの加入率は2025年では50%を割ると予想されている。

映画スタジオ、それに多チャンネル向けネットワークを持っているのはDisney、NBCUniversal、Warner Brothers Disney(WBD)、Paramount Global等である。多チャンネル向けネットワークはすでに儲けられない事業になっており、映画も成長事業ではなくなっている。2019年に殆どの多チャンネル向けネットワークと映画スタジオをDisneyに売ったFoxには先見の眼があったようだ。Disney、NBCUniversal(Comcastのコンテンツとエクスペリエンス事業部)、WBD、Paramount Globalの2025年Q3の売上は前年同期から減っているが、Foxは5%増えている。

状況がもっとも悪いのは地上波ネットワークを持たない、WBDである。同社のQ3のTVネットワーク事業は前年同期比で22%もの減少をしている。スタジオ事業は「Superman」のお陰で24%の増加、ストリーミングは横ばいで、全体では6%の減少となっている。WBDは来年にTVネットワーク事業を切り離し、スタジオとストリーミング会社のWarner Brothersを作る予定で、Paramount Global、Comcast、Netflix等がこの買収を検討している。

アメリカの映画興行売上とチケット販売枚数

出典: The-Numbers.Com

 

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