世界各国のリアルタイムなデータ・インテリジェンスで皆様をお手伝い

詳細検索

お問合せ

03-3582-2531

電話お問合せもお気軽に

 










IoTを導線から分類する

IoTを導線から分類する

 

1. 序

ICT産業の関心の中心は、Wearable DeviceからIoTにシフトしたように思われます。もちろん、Wearable Deviceの市場は消えた訳ではなく、拡大を続けてはいますが。

では、IoTとは何でしょうか?

以下テーブルは、調査会社や主要ベンダが発表しているIoTデバイスの稼動数の予測です。

桁違いの数字であることにも驚きますが、各社の数字のバラつきにも驚きます。

結局、各社各様の定義に基づいての予測ということなのでしょう。

 

IoTデバイス稼動数予測 (単位; 個)

発表元(発表時期) 2010年 2014年 2015年 2016年 2020年
IDC予測(2015年) 

IoTエンドポイント数

103億 295億超
Gartner予測 (2014年) 

コネクテドデバイス

38億個 49億 64億 208億
Cisco(2013年) 

インターネット接続デバイス

125億 500億超
Intel (2014年)  (デバイス数) 150億 500億

 

今、発表されているIoTデバイスを見ても、「なぜ、これをIoTデバイスと呼ぶのか? ネットワークにつながっているのは事実だが・・・」と疑問に感じる事例が多々、あります。

 

2. IoTを導線から定義する

さて、IoTデバイスを、「○○という価値を実現する導線を提供するデバイス・仕組みである」と定義してみます。そして、導線を以下のように整理しています。

 

消費活動現場

価値 具体例 実現のための導線 (例)
利便性・ 

快適性

空調 温度センサーで室温を測定し、設定範囲をはずれた時にはエアコンを稼動 (コントローラ)
ドア鍵 センサー、鍵制御 (スイッチ、アクチュエータ)
移動ルート最適化 鉄道の運行状況・道路渋滞状況を収集し、最適ルートを検索
問題発見 ライフログトラッカー センサーで身体データを常時収集し、健康状態を自分でチェック

 

事業活動現場

価値 具体例 実現のための導線 (例)
新たな収益源 健康アドバイスコンサルティング ライフログトラッカで身体データを常時収集、蓄積し、健康改善のアドバイス。今は人がアドバイスするが、いずれはAI導入。
代行業 アマゾンが運送業を開始
省力化・ 

無人化

工場生産ライン 生産設備に、センサー・アクチュエータ・コントローラを付加し、ラインを自動化
小売店 商品にRF IDを添付し顧客が店を出た時点で清算し、クレジットカードから引き落す。
物流拠点 荷物にQRコードを添付し、荷物振分けを自動化
動態監視・ 

粒度改善・

リアルタイム制御・

未来予測

テーマパーク 園内カメラとリストバンドで人の動きを集計し、動きを誘導し、最適化
インフラ老朽度検査 橋にデバイスを埋込み、異常を検出・報告
ドローン+センサーで状態をチェック 

必要に応じてセンサーも変更 ()。AIと組合せることで検査精度も向上

農地 温度・湿度・日照量・植物状態を計測し、肥料・水を追加
ビッグデータ データ収集のためのクライアント。 

今、IoTが語られる時、ビッグデータとの関連で語られることが多い。

 

これは一例である。実際には、対象とできる価値はもっと多様であるし、事例ももっと多様であるはずである。

 

それぞれの導線・事例にあわせて

  • センサー (可視光線、赤外線、X線、QRコード、音響、温度、湿度、音声認識、GPS、タッチ等)
  • アクチュエータ
  • スウィッチ (オン/オフ、多段階等)
  • コントローラ (プログラム、AI等)
  • 通信機能 (bluetooth, Wi-Fi, Cellular等)
  • ディスプレイ
  • 給電方法

を組合せて、IoTデバイスを構築していくことになる。

いかがであろうか?

 

1)    自社がビジネスを展開できる価値・導線・売上げを創れる導線はどれか?

→ 当社は○○○という導線でビジネスを展開する。これは当社本来の強みと合致する
この導線の市場規模は○○億円であり、当社は30%を取ることができるであろう。

2)    では、その導線に向けてプロダクトラインアップをどのようにそろえていくか?

→ この導線で必要な機器はAとBとC。AとBは自社開発とし、Cは外部調達とする。

3)    その仕組みを横展開できる導線・事例は、他にもあるか?

→ この仕組みは、X・Y・Zという導線・事例にも横展開できる。

そういった視点・課題設定も必要と思われる。

 

3. まとめ

IoTは対象範囲が広く、ビジネス的にもチャンスは多い。

だからこそ、バズワードで総論から話すのではなく、具体的な事例・導線からビジネスシナリオを構築していくことも必要と思われる。

市場規模の見積にあたっても、対象とした導線を明示すれば、冒頭で示した表ほど、各社の予想がバラつくこともないであろう。

 

データリソース社が提供する IoT関連レポート (一例)

公益企業のモノのインターネット(IoT)市場:ソフトウェア毎(解析、セキュリティ、スマートグリッド管理、資産の予知保全、CIS、ビルシステム)、プラットフォーム毎、サービス毎、用途毎、地域毎 - 2020年までの世界市場予測 MarketsandMarkets社、2016年2月発行

モノのインターネット(IoT)用チップ市場:用途市場毎(ウェアラブルデバイス、医療用、家電、ビルのオートメーション、産業用、自動車・交通運輸)、地域毎 - 2020年までの世界市場予測 MarketsandMarkets社、2016年2月発行

世界の設備資産管理システム市場 2016-2020年 TechNavio社、2016年2月発行

モノのインターネット(IoT)のクラウドプラットフォーム Parks Associates社、2016年1月発行

ディスプレイと画像処理 ABI Research社、2015年12月発行

モバイルバーコードスキャナ VDC Research Group社、2015年12月発行

 

 

筆者:株式会社データリソース客員研究員 鈴木浩之 (株式会社ICTラボラトリー代表取締役)

 

ページTOPに戻る