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2014年9月23日、国連本部にて開かれた「国連気候変動サミット」にて、CO2排出量大国の米中それぞれから、「2015年早い時期に2020年以降のCO2排出量削減目標を決定する(米国)」、「2015年3月末までに2020年以降の地球温暖化ガスの削減目標を決定する(中国)」という発表があった。
下図はCO2排出量トップ5の国のCo2排出量比率だが、中国・アメリカは他国を圧倒するCO2排出量二大国であり、両者を合計すると2011年現在、全体の42%になる。しかしながら、この二大CO2排出国は京都議定書に加わることもなく、排出量に削減目標を設定する事も無かった。

その二カ国が排出量削減に向けて行動を始まることで、CO2排出量削減に関連して大きなビジネスチャンスが生まれることが期待できる。
まずは、今日にいたるまでの経緯と今後の見通しを時系列に整理していく。
一つは、欧州を中心とした京都議定書をベースしたCO2排出量削減であり、1990年比18%削減を2020年までに実現するという動きである。CO2削減に向けて各国が協力する場ではあるが、中国を含む発展途上国がCO2削減義務を負わず、米国は京都議定書から離脱するという、片肺飛行でもある。
もう一つはCOP17で設立されたADPをベースとした2020年以降の、CO2二排出大国である中国・インドを含めた発展途上国、CO2排出大国である米国を含む世界全国家を巻き込んだCO2排出量削減である。自主目標の設定にあたって、タイムテーブル・排出量削減の基準点のいずれについてもCOP/ADPは要求していない。ここでは、CO2排出量の削減目標の設定は、タイムテーブル・削減比率のいずれもが各国の自主性にゆだねられている。
2015年、世界各国が2020年以降のCO2排出量削減に向けて自主目標を発表する。そして、2015年末のCOPで世界各国がその発表を持ち寄り、議論し、その後、5年かけて署名国を集め、議定書として発効させる。
この6年間、世界はどのような議論をするのであろうか。
その事を当社の予測も含めて、時系列で示す。
| 日時 | 出来事 |
| 2014年12月 | COP20にて、新枠組条約の草案作成 |
| 2015年1月
~12月 |
各国が自主目標を発表 |
| 2015年12月 | COP21にて世界各国が新枠組条約で合意。 |
| 2015年
~2020年 |
COP/IPCCを通じて、各国が自主目標を改版
– 先進国は技術・資金援助を通じて発展途上国から排出権を確保 – 発展途上国は経済発展とCO2排出量抑制の両立を目指す |
| 2020年 | 先進国のCO2排出量が1990年比18%削減となる(京都議定書目標値) |
| 2020年 | 新枠組条約発効
世界各国が自主目標のCO2排出量削減に向けて活動本格化 |
| 2030年 | EUの温室効果ガス排出量が90年比40%減となる (欧州委員会目標) |
| 2050年 | – 世界全体の温室効果ガス排出量が50%以上削減
– 先進国全体として温室効果ガス排出量が80%以上削減 (ラクイアG8サミット発表) |
CO2排出量削減に有効な手段としては、石炭火力発電所改良だけでなく、自然エネルギー実用化・原子力発電・核融合発電・CO2回収/貯留技術・スマートグリッド・スマートシティ等々、要素技術・システム技術・運用改善等、様々なアプローチがある。
時間軸で考えても、既に実用化されていることもあれば、実用化時期が2020年~2030年と見込まれていることもある。
~2030年、~2050年、~2100年という時間軸の中で、その時々で最適解を提案していくことが求められる。
2020年以降のCO2排出量削減の目標は、基準年・目標年・削減比率のすべてが自主設定となっている。与えられた条件で答えを出すことは得意でも、自分で条件を設定し、その答えも自分で作りだし、他国を納得させるということは、日本人にとっては不得意かもしれない。
温暖化ガス排出量削減は、ビジネスであるが、同時に外交でもある。
産業界と政治でパートナーシップを組んでしっかりと進めていただきたい。
又、以下をテーマとした委託調査・マーケットウォッチ/定点観測もお受けしております。
(1); The Ad Hoc Working Group on the Durban Platform for Enhanced Actionの略称。日本語名はダーバンプラットフォーム特別作業部会。以下を目的として、現在、作業を進めている。
(2); “United Nations Framework Convention on Climate Change”の略称。日本語名は” 気候変動に関する国際連合枠組条約”となる。この枠組み条約は、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目的とする。
(3); United Nations Conference on Environment and Developmentの略称。日本名は「環境と開発に関する国際連合会議」。Earth Summit (地球サミット)と通称される事が多い。
(4); “Conference of the Parties”の略称。日本語名は”締約国会議” となる。
(5); Intergovernmental Panel on Climate Changeの略称。日本語名は「気候変動に関する政府間パネル」。 国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構、学術機関。数年おきに発行される「評価報告書」は地球温暖化に関する世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約した報告書であり、国際政治および各国の政策に強い影響を与える。
筆者:株式会社データリソース客員研究員 鈴木浩之 (株式会社ICTラボラトリー代表取締役)