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製造業の発展段階のモデルとして、家内制手工業→工場制手工業→工場制機械工業という過程がある。
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個人宅で小規模生産 |
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工場制手工業
専用敷地で人数をかけて生産 |
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工場制機械工業
作業自動化を推進し、省力化 |
このモデルから考えると、クラウドはITを工場制手工業から工場制機械工業に発展させた原動力ともいえる。

即ち、今までのIT産業は、アプリケーション~ミドルウェア~ハードウェアというそれぞれのレイヤに大量のエンジニア・プログラマを動員する工場制手工業の世界でした。
しかし、IaaS, PaaS, SaaSが、既に構築されたITシステムをユーザに即座に提供し、かつ、増築・構成変更もワンクリックで即座に実現できるようにした。
ITサービスの生成が人手で行われるのではなく、機械によって行われるようになりました。これを称して、IT産業が工場制手工業から工場制機械工業に発展したと考えている次第です。
同時にクラウドは、IT産業を人月ビジネスから設備ビジネスへと変質させた。
変わって、必要なITサービスがシステムによって提供されるようになった。しかもリアルタイムで。あたかも、電力会社が発電所で集中的には発電しユーザに配信するがごとくに。
ITビジネスにおいては、エンジニアをどれだけ投入できるかも大きな一つの差別化ポイントであったが、クラウド化により設備の優位性が差別化ポイントとなった。

クラウド導入により、ユーザ企業においてのIT支出の内訳も変わりる。以下にクラウドが普及しなかった場合の支出内訳予測クラウドが普及した場合の支出内訳予測を示す。
今後、クラウドサービスを積極的に使う事で、H/W・S/W・ITサービス費用の比重が縮小し、クラウド利用費の比重が拡大していく事になる。

既存ITベンダーがクラウドサービスにどのように取り組んでいるか紹介する。
技術・プレゼンスにて差を付けられている既存ITベンダーは買収を含め合従連衡により自分のポジションを確保しようとしている事が見て取れる。
| 企業名 | 過去3年間の大きな動き |
| IBM | 2012年4月、Pure SystemをExpert Integrated Systemとして発表 2012年10月、Cloud Storageサービスの販売でAT&Tと提携 2013年3月、CIAクラウド構築でAmazonに敗北。価格では勝つが技術で負ける。 2013年7月; Softlayer買収を完了 2013/4Qのハードウェア部門売上高が26%減を発表 2014年1月; DCの世界展開で1200億円投資を発表 2014年2月; x86 Server事業のLeveno売却を発表 |
| Dell | 2013年5月、Enstratiusを買収 (クラウド管理ツール開発企業) 2013年12月、RedhatとのRHELOSP共同開発を発表 2013年12月、RHELOSPのOEM提供、Windows Azure、Google Cloud Platformの提供を発表 |
| Microsoft | 2010年1月、Windows Azureを正式開始 2011年6月、Office365を正式公開し、Officeスィーツの月額課金版を提供開始 2011年10月、Skype買収 2013年12月、Cloud OS Networkを開始 |
| Oracle | 2011年10月、RightNowを買収 (Cloud CRM Vendor) 2013年6月 Microsoftと提携し、Java/Oracle Database等がWindows Server Hyper-V/Windows Azureで利用可能に 2014年1月、「Cloud Adapter for Salesforce.com」発表 |
| Amazon | 2002年にIaaSでサービス開始。ポートフォリオ・事業規模において他社に大きな差をつける |
| Salesforce | 1999年にSFAでサービス開始。ポートフォリオ・事業規模において他社に大きな差をつける |
| 2006年にGoogle Appsを開始し、クラウドサービスに本格参入 |
クラウドサービスはITビジネスのサプライチェーンを変え、新勢力の台頭を促し、既存ITベンダーにはビジネスモデルの更になるドラスティックな一新を迫っている。
日本のITベンダーも、Amazon, Salesforce等に対抗し、この変化に押し流される事のないようにビジネスモデルをドラスティックに一新することが求められている。
参考調査レポート
筆者: 株式会社データリソース 客員研究員 鈴木浩之 (株式会社ICTラボラトリー代表取締役)