セルラーIoTモジュールの出荷台数は2024年に5億1400万台に到達

モノのインターネットは継続的に進化し、新たな領域へと拡大している。2024年末までに、セルラーまたはLPWA技術に基づく広域ネットワークに接続されたデバイスは約43億台に上る。市場は多様性に富み、複数のエコシステムに分かれている。本レポートでは、広域IoTネットワーキングの最も著名な技術エコシステムであるセルラー技術の3GPPエコシステム、LPWA技術のLoRaとSigfoxに加え、IEEE 802.15.4ベースのプロトコル、Wirepas Mesh、DECT-2020 NR（NR+）、Miotyなどの新興LPWA技術群に焦点を当てている。

3GPPのセルラー技術ファミリーは、広域IoTネットワーキングにおける最大のエコシステムを支えている。Berg Insightは、2024年末の世界のセルラーIoT加入者数は38億に達し、これは全携帯電話加入者の30％に相当すると予測している。2024年のセルラーIoTモジュールの年間出荷数は、前年比22％増の5億1,400万ユニットに達した。セルラーIoTモジュールの年間売上高は13％増の60億米ドルに達した。5大セルラーモジュールベンダーは？Quectel、Fibocom、Telit Cinterion、Rolling Wireless、MeiGの5社が売上高で71％の市場シェアを占めている。クアルコム、ASRマイクロエレクトロニクス、UNISOCが主なセルラーIoTチップセット・サプライヤーである。その他の重要なセルラーIoTチップセット・サプライヤーには、Eigencomm、MediaTek、ソニー、Xinyi Information Technologyなどがある。

LTE Cat-1/LTE Cat-1 bis、NB-IoT、LTE-Mが低中級市場セグメントで2Gや3G技術に取って代わる中、IoTに最適化された4G LTE技術がセルラーIoT技術の主流を占めている。LTE Cat-4とそれ以上のLTE-Aテクノロジーは、依然として高速IoTデバイスの主要な選択肢であるが、ネットワークのカバレッジと価格が改善されるにつれて、5Gに取って代わられるだろう。5G IoTデバイスは現在、FWA CPE、IoTルーター、先行する自動車OEMの自動車に集中している。5G RedCapモジュールはやがて、より広範な5G IoTユースケースを可能にするだろう。4G LTEのCat-4/6モジュールとの価格差と5G SAネットワークのカバレッジ要件のため、この技術の普及は短期的には限定的と予想される。セルラーIoTモジュールの出荷量は、年平均成長率（CAGR）11.0%で成長し、2029年には8億6,600万ユニットに達すると予測されている。

LoRaはIoTデバイスのグローバル接続プラットフォームとして勢いを増している。LoRaエンドノードの累積出荷台数は、2025年初頭に4億1,000万台に達した。需要の大半は、プライベートネットワークに展開されるデバイスによるもので、LoRaネットワークの展開モデルとしては依然として主流である。LoRaの低消費電力は、長寿命バッテリー動作の要件に合致している。この技術はまた、都市、工業プラント、商業ビルにおけるスマートセンサーやトラッキングデバイスのネットワーク化のための大都市およびローカルエリアIoT展開にも広く使用されている。スマートホームは、米国のアマゾンのサイドウォーク・ネットワークに牽引され、今後数年で主要なアプリケーション分野になると予想されている。ベルグインサイトは、2024年のLoRaデバイスの年間出荷台数が6000万台に達すると予測している。2029年までの年間出荷台数は、年平均成長率16.5%で1億2900万台に達すると予測されている。

シンガポールを拠点とするSigfox事業者UnaBizが2022年にSigfoxの新オーナーとして就任し、Sigfox技術と事業の運営モデルに新たな方向性を打ち出した。2024年末には、Sigfoxデバイスの設置台数は前年比14％増の1,420万台に達する。バーグ・インサイトは、Sigfoxにとってこの技術が資産追跡分野でどのように受け入れられるかが重要な試金石になると考えている。また、さまざまな産業におけるセンサー・ソリューションは、この技術にとって最も有望な応用分野のひとつである。Berg Insightは、Sigfoxデバイスの出荷台数は2024年の220万台から2029年には1,140万台まで年平均成長率38.8％で成長すると予測している。

IEEE 802.15.4、Wirepas Mesh、Mioty、NR+などの新興LPWAデバイス・エコシステムは、今後数年で重要なIoTネットワーキング・プラットフォームに成長する可能性を秘めている。これまでのところ、IEEE 802.15.4が最も広く普及している。この技術はグループの中で最も成熟しており、主要なスマートメータリングベンダー数社から支持を得ている。Wirepas Meshは、2025年初頭に1,200万台の設置ベースを数え、多くの大規模プロジェクトで使用されている。Miotyはここ数年、スマート水道メータリングの分野で支持を集め始めており、設置ベースは100万台に達している。DECT-2020 NR（NR+）はさらに新しい技術で、主にパイロットプロジェクトで展開されている。