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Edge Computing?、IoT Edg?、AI Edge? – エッジが注目されているが、何が違う?

Edge Computing?、IoT Edg?、AI Edge? – エッジが注目されているが、何が違う?

 

1. 序

IoT導入においてデータはCloudに集約させるべきという論調がありますが、最近は、Edge Deviceが必要という論調が大きくなっています。とはいいつつ、発言者 (人・企業) によって、Edge Deviceが指し示すことが、微妙に、あるいは全く異なっています。

一体、これはどういう事でしょうか?

今回は、この事を分解してみます。

 

2.  Cloudの活用事例とその限界

2.1. Cloudの歴史

何をもって”Cloud”というか、何をもって”Cloud”の始まりというかは非常に迷うところです。

ただし、以下の事を踏まえて、ここでは2010年頃を、特に法人向けCloudの起点と考えることとします。

–        AmazonがAmazon Web Serviceを公開したのが2002年

–        GoogleがGoogle Appsを開始したのが2006年

–        MicrosoftがAzureを正式公開したのが2010年

–        米IBMがSmartCloudを発表したのが2011年

–        Salesforce.comの2010年の売上げが$1.3B。(創立は1999年)

 

当DRIフォーラムでも

–        2012年12月10日に「クラウドサービス – 現在・過去・未来 - 今後の展望を見る

–        2014年3月21日に「クラウドサービス:今とこれから~クラウドはICTサプライチェーンを抜本的に変えた

という記事を投稿していますが、この頃のCloudの位置付けは、どちらかというと

–        社内業務 (バックオフィス)関連システムのOff Premise化とシステムコスト削減

–        スタートアップ企業が新サービス開始にあたっての初期コストの抑制として利用

–        これまでIT化が遅れていたフロント業務のIT化と新価値の創出 (Salesforce.com等)

といった側面が強くありました。

 

2014年3月、GE (General Electric), AT&T, Cisco, IBM, Intelの5社がIndustrial Internet Consortium(IIC)の設立を発表し、Cloud活用によるバリューチェーンの再構築と効率改善、新サービス開発の道を開きました。更には、翌2015年8月、GEが「Predix Cloud (下図参照)」でCloud市場へ参入しました。

これにより、Cloudはペーパーワーク (社内業務・サイバースペース)から物理世界にも適用されるようになった訳です。

 

出典:Predix Developer Network

図2-1- Predix Cloudに見るデータフロー

 

しかし、このシステムは下図にも示すように、物理世界 (現場)からのデータ収集とダッシュボード表示が主な目的であり、物理世界へのフィードバック (制御機能)は弱いという課題を持っていました。

 

出典:Predix Developer Network

図2-2- Predix Cloudを使った風力発電所の監視

 

2.2. CloudとIoTデバイス

Digital Twinの時代に向けて、IoTデバイスは世界中の至るところに存在します。その数は2020年には160億台 (消費者向け+産業向け)とも予想されています。(Gartner予測)

これらのIoTデバイスもその多くはクラウドに収容されることになりますが、回線数や回線コストの削減を目的にして、既に、ゲートウェイ/コンセントレータは導入されています。今後は新たに、トラフィック量の増大に対応するネットワークの通信容量・サーバの処理容量に見合うような負荷低減・負荷分散の仕組みが求められます。

 

出典:筆者作成

図2-3- 急増するIoTデバイスに対応するIoTゲートウェイの導入

 

2.3. CloudとAI

現在、Google, Microsoftを始めとして多くの企業がAI機能をクラウド経由で提供しています。(下図参照)

検索エンジン・音声アシスタントとしての個人利用ならばこのような運用形態もよいが、実際には、オフライン環境もあるし、応答時間の短さが問われる場合もあり、これだけでは利用範囲が限定されるという課題があります。

 

出典:筆者作成

図2-4- Cloud上で展開されAPI経由で提供されるAI機能

 

2.4. まとめ

Cloud/IoTデバイスは、今後、工場だけでなく社会インフラ等様々な領域で、AI等の新技術もまきこみつつ、導入されていきます。

その導入において、ここであげられた課題を解消する機能がEdge Deviceに収容されていくことになります。

今後、各社が、その収容方法・機能分割を提案していくことになりますが、その内容は、各社の元々の出身領域(機能レイヤ)により、異なってくることになります。

次章にて、各社のアプローチを分析することとする。

 

3. Edge Device色々

3.1. 通信機器ベンダーが考えるEdge Device – Cisco社 Kinetic

下図にCiscoが考えるソリューションを示しますが、Ciscoにおいては、Edge Device (ゲートウェイ・フォグコンピューティング)は

–        ゲートウェイ~ネットワーク間接続の自動化

–        データ転送の最適化・効率化 (回線単位、ネットワーク全体)

–        データ転送のセキュリティ確保

に注力しています。

CloudとしてもAmazonのAWSやMicrosoftのAzure等を想定しており、センサーデータの処理の領域には、現時点では触れていません。いかにも通信機器ベンダーらしいアプローチです。

 

出典:Cisco

図3-1- Cisco社が考えるEdge Device

 

3.2. 工作機械メーカが考えるEdge Device – ファナック社 FIELD System

下図にファナックが考えるソリューションを示します。

生産ラインではデータ収集・処理・制御といった一連の動作は常にリアルタイムでの反応が要求されることもあり、アプリケーションソフトウェアはCloudではなく、Edge Deviceに搭載されることになります。

又、工場においては機器が多様で (産業機械、PLC、センサー等)、多数のメーカ機器があり、これらを収容する機能もEdge Deviceには要求されます。この部分は、開発に当初から加わっているCiscoのソリューションを活用しています。

更には、ファナックはFIELD systemソフトウェア開発キット(SDK)も提供や、FIELD System Store (ソフトウェア等のECサイト)を提供し、Edge Deviceのメニュー揃えを進めています。

 

出典:ファナック社

図3-2- ファナック社FIELD SystemにおけるEdge Device

 

3.3. クラウドベンダーが考えるEdge Device – Microsoft社 Azure IoT Edge

以下にMicrosoftのAzure IoTの構成を示します。図3-3においてはEdge Deviceという記述はないが、ケースバイケースでEdge Deviceを使い分けています。

例えば、図3-4において、IoTデバイスがEdge Deviceと見なされています。ここでは、Edge Deviceは対象機器をデジタル化する機器として扱われていて、かつ、搭載ソフトウェアの更新が容易であることをアピールしています。

又、図3-5では、クラウドゲートウェイがEdge Deviceと見なされています。ここでは、以前はクラウドでなされていたデータ処理機能をEdge Deviceに展開しています。

 

出典:Microsoft社

図3-3- Microsoft社 Azure IoT構成

 

出典:Microsoft社

図3-4- Microsoft社 Azure IoT: IoTデバイス=IoT Edge Device

 

 

出典:Microsoft社

図3-5- Microsoft社 Azure IoT: ゲートウェイ=IoT Edge Device

 

3.4. AIにおけるEdge Device – 自動運転での実施例

最近は、自動運転や工場の自動化に向けて、AI機能にもクラウド連携を維持しつつも、リアルタイム性が求められています。

結果的に、例えば、自動運転ではAI機能は下図のような形で実装されていくと推測されます。

 

図3-6- 自動運転に見るAI Edge Device

 

4. 終わりに

いかがであろうか?

Edge Deviceと一言でいっても、アプリケーションによって、あるいは言及している企業によって、あるいは同一企業であっても、語る文脈によってEdge Deviceが指し示す場所・機能が異なる事を、今回は洞察しました。

 

いよいよこれから、ユーザ企業が自社の目的に合わせて機器・ソリューションの導入をすることになります。。

ユーザ企業にとっては、システムの構築にあたっては複数のソリューションの組合せが必要になる可能性もあります。

ここに、次世代SIerが活躍する余地が生まれる可能性もあります。

どのようなバリューチェーンが、今後、成立するのか、楽しみです。

 

筆者:株式会社データリソース客員研究員 鈴木浩之 (ICTラボラトリー代表)

 

 

 

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