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SURFACE TREATMENT / POWDER COATING

表面処理分野における
粉体塗料市場レポート

粉体塗料は、表面処理分野の中でも環境規制対応塗装ラインの自動化・省人化単価転嫁余地の三点で投資優先度が高い領域です。国内市場は成熟市場に見えますが、設備更新・VOC削減・工業塗装ラインの再設計を背景に、更新投資主導で伸びる準成熟市場と捉えられます。

373.6億円
2025年 国内販売金額
432.7億円
2030年 ベースケース推計
2〜3%
国内市場の想定成長率
49%
金属製品向け構成比の概算
定義と市場範囲

本ページでは、JPMA統計上の「粉体塗料」品種を対象に、表面処理市場における需要構造、用途別構成、主要企業、成長要因、投資論点を整理します。

粉体塗料とは

粉体塗料は、有機溶剤や水を用いないパウダー状の塗料です。未付着粉を回収・再利用しやすく、VOC削減や環境負荷低減に対応しやすい点が特徴です。

代表用途

主な用途は、建築資材、スチール家具、家電、自動車部品、建機・農機、金属製品などです。特に金属製品・機械・電気機械向けが中核需要を形成しています。

市場の見方

単なる環境対応材ではなく、塗装工程の自動化、省人化、塗料ロス削減を実現する工程改革材料として評価する必要があります。

市場規模推移

2021〜2025年はJPMA公表の販売金額、2026〜2030年は2025年実績を起点に年率約3%前後で試算したベースケースです。

市場規模 区分 市場コメント
2021年 344.7億円 実績 コロナ後の工業需要回復局面
2022年 364.3億円 実績 販売金額が拡大
2023年 375.2億円 実績 直近ピーク水準
2024年 369.7億円 実績 数量減により踊り場
2025年 373.6億円 実績 小幅に持ち直し
2026年 384.4億円 推計 設備更新・需要回復を前提
2027年 396.0億円 推計 年率3%前後の成長を想定
2028年 407.8億円 推計 400億円台へ到達
2029年 420.1億円 推計 更新投資の継続を想定
2030年 432.7億円 推計 準成熟市場として安定成長
2021
344.7億円
2022
364.3億円
2023
375.2億円
2024
369.7億円
2025
373.6億円
2026
384.4億円
2027
396.0億円
2028
407.8億円
2029
420.1億円
2030
432.7億円

市場の核心:環境対応材ではなく、塗装工程改革材

粉体塗料の競争力は、溶剤レス、塗料ロスの回収再利用、自動化適性にあります。つまり、粉体塗料は単なるVOC対策用の塗料ではなく、塗装工場の労務制約を緩和し、総塗装コストを下げるための工程改革材料です。

一方で、焼付温度の高さ、既設ライン転換の投資負担、スクラップ・アンド・ビルドの難しさが切替障壁になりやすく、これが市場成長を緩やかにしている主因でもあります。

主要企業と競争状況

国内市場では、総合塗料メーカーによる事業集約・設備増強が進んでいます。競争軸は、塗料単体の価格ではなく、用途開発力、ライン提案力、環境対応提案力へ移っています。

企業・ブランド 市場での位置づけ 注目ポイント
関西ペイント 粉体専業子会社・新工場整備を進める主要プレーヤー 2030年度に国内粉体事業売上90億円を目標
KANSAIパウダーコーティングス 関西ペイント系の粉体塗料事業会社 粉体塗料の事業基盤強化を担う
大日本塗料 工業用塗料の大手 神東塗料の連結子会社化により粉体塗料でも存在感を強化
神東塗料 大日本塗料グループとの連携が進む企業 粉体塗料分野でのシェア強化に寄与
日本ペイント・インダストリアルコーティングス 国内トップクラスの工業用塗料メーカー 粉体塗料を含む広い工業用塗料製品群を展開
成長要因と課題

粉体塗料市場の成長は、環境規制、工場の自動化、省人化、金属製品・電気機械向け需要によって支えられています。

用途別市場構成

日本パウダーコーティング協同組合が再掲したJPMA実態調査グラフをもとにした概算再構成です。公式確定値ではなく、用途別の大まかな構成感を示すものです。

49%

金属製品

粉体塗料の最大需要分野。スチール家具、金属部材、工業製品など。

20%

機械

建機・農機・産業機械など、耐久性と防食性が重視される用途。

17%

電気機械

家電、電装部品、筐体など、外観品質と量産性が求められる用途。

7%

建築資材

サッシ、外装部材、建材部品など、耐候性・意匠性が重要な分野。

7%

その他

自動車部品、各種工業製品、特殊用途などを含む周辺需要。

市場展望と推奨戦略

今後の勝ち筋は、粉体塗料を「塗料単価」で売るのではなく、回収再利用率、ライン自動化、省人化、VOC対策コスト削減を含めた総塗装コストで提案することです。

材料メーカーの戦略

低温焼付化、適用基材の拡大、高耐候・高意匠グレードの開発により、既存用途の深掘りと新規用途の開拓を進める。

ユーザー企業の戦略

塗料単価ではなく、歩留まり、回収再利用、省人化、VOC対応コストを含めた投資回収モデルで導入を検討する。

商社・装置メーカーの戦略

塗料、塗装ライン、回収システム、焼付設備を一体で提案し、既設ライン更新需要を取り込む。

M&A・提携の方向性

規模、用途開発力、アプリケーション技術を補完するM&Aや提携が進む可能性が高い。

結論:粉体塗料は、更新投資主導で伸びる準成熟市場

粉体塗料市場は急拡大型ではありませんが、環境規制、自動化、省人化、設備更新の流れを受けて着実な成長が期待されます。今後は、塗料そのものよりも、塗装工程全体のコスト削減と環境対応をどこまで提案できるかが競争力を左右します。

 

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