" メタバース

世界各国のリアルタイムなデータ・インテリジェンスで皆様をお手伝い

ROBOTICS / AUTOMATION

協働ロボット
市場調査レポート

少量多品種生産・省人化・安全重視の現場で導入が進む協働ロボットについて、市場規模導入台数主要メーカー安全規格補助制度まで整理した紹介ページです。ロボット単体ではなく、工程単位での自動化価値が見え始めていることが、この市場の実装フェーズを特徴づけています。

$1.42B
世界市場規模(2025年)
$3.38B
世界市場規模(2030年予測)
18.9%
年平均成長率(2025-2030)
64,542台
世界新規設置台数(2024年)
協働ロボット市場の概要

協働ロボット市場は、従来の大規模自動化とは異なり、比較的限られたスペースでも導入しやすく、人と近接した作業環境で使いやすい点が特徴です。市場売上高の予測値と、国際ロボット連盟(IFR)が示す設置実績は定義が同一ではありませんが、双方とも協働ロボットの実需拡大を示しています。とくに近年は、単純な人員削減より、タクト平準化品質安定高負荷工程の代替に価値が置かれています。

導入しやすさが成長の起点

協働ロボットは、安全配慮を前提に人と同じ作業空間で使いやすく、中堅・中小企業でも比較的導入検討しやすい領域です。多品種少量生産との相性がよく、既存ラインの一部自動化にも適しています。

一方で、実際の投資対効果はロボット本体だけでなく、ハンド治具ビジョン安全設計を含むシステム全体で決まります。

市場は高成長だが定義差に注意

公開市場データでは、世界の協働ロボット市場は2025年14.2億米ドルから2030年33.8億米ドルへ拡大見通しです。これは調査会社ベースの市場売上高予測です。

一方、IFRの数値は新規設置台数であり、売上高とは直接比較できません。両者は「成長方向の一致」を確認する指標として使うのが実務的です。

日本市場は浸透局面へ

日本では、ISO 10218ISO/TS 15066JIS B 8433系列の整理が進み、協働ロボットの実装条件が以前より明確になっています。

加えて、中小企業省力化投資補助金のような制度的後押しがあるため、実証から横展開へ進みやすい環境が整いつつあります。

主要指標の整理

売上高予測と導入ボリュームを分けて整理すると、協働ロボット市場の見え方が明確になります。市場規模は調査会社予測、設置台数はIFR実績です。

指標 年次 数値 見方
グローバル市場売上高 2025年 14.2億USD 調査会社による市場売上高予測の起点
グローバル市場売上高 2030年 33.8億USD 市場の中期拡大余地を示す予測値
年平均成長率(CAGR) 2025-2030年 18.9% 産業機械分野では比較的高い成長率
世界の新規設置台数 2024年 64,542台 IFR公表の導入ボリューム指標
産業用ロボット新規設置に占める比率 2024年 11.9% 産業用ロボット全体に占める存在感の拡大を示唆

市場を見るうえでの実務上のポイント

協働ロボットは、ロボット単体の価格競争だけで評価すると実態を見誤りやすい市場です。実際には、導入可否は工程設計安全評価治具設計周辺機器接続SIコストまで含めて決まります。

したがって、PoC段階では「何台入れるか」よりも、「どの工程で何人分の負荷をどの程度平準化できるか」「品質や停止リスクをどれだけ抑えられるか」という観点で評価するのが有効です。

市場の差別化軸も、近年は可搬重量リーチ教示容易性ビジョン・AI連携エコシステムへ移っています。

主要メーカーと代表製品

協働ロボット市場の競争は、単なる可搬重量競争ではなく、導入しやすさと用途適合性の競争に移っています。代表的な製品を整理すると以下の通りです。

導入事例が示す価値

協働ロボットの価値は、単なる人件費削減ではなく、工程の再設計による生産性向上に出やすい点にあります。公開事例では次のような成果が確認できます。

導入事例

日本ゼトック × Universal Robots

個箱入れラインで生産性30%向上、必要人員を2名から1名へ再設計した事例です。人を単純に減らすというより、梱包工程の負荷配分を見直した点が示唆的です。

実装価値

SUS × ABB YuMi の示唆

公開紹介でよく参照される事例では、複数人で担っていた作業を少人数化しつつ、生産効率向上を実現したケースとして扱われます。協働ロボットの価値が「省人化+品質安定」で現れる典型例です。

実務視点

評価すべきKPIは工程単位

成功事例では、サイクルタイム停止時間不良率必要人員教育負荷を工程単位で見ています。ロボット1台の価格だけで投資判断する設計は不十分です。

制度・規格・補助金の整理

日本で協働ロボットを導入する場合、機器選定だけでなく、安全規格リスクアセスメント補助金制度を一体で見る必要があります。

安全規格

ISO 10218-1/2(JIS B 8433-1/2)とISO/TS 15066が、協働ロボット導入の安全面の基礎です。日本では厚労省資料が、ロボット本体だけでなくシステムとしての適合を重視しています。

定義の整理

農水省の食品工場向けガイドラインでは、関連文書TS B 0033における協働ロボットの定義が紹介されています。現場では「ロボット単体」ではなく、周辺機器を含む一連のシステムとして考える必要があります。

補助制度

中小企業省力化投資補助金は、人手不足対応と生産性向上を目的に、カタログ注文型一般型の2類型で省力化投資を支援しています。協働ロボット導入は、補助金申請と安全設計を同時に進める方が実務上効率的です。

協働ロボット市場の論点

市場拡大が続く一方で、協働ロボットの導入には典型的なボトルネックもあります。

制度・市場マイルストン

協働ロボット市場の制度整備と市場拡大を、節目ごとに整理すると以下のようになります。

2017年:TS B 0033で協働ロボット定義を整理

日本の関連文書で、協働ロボットの定義が明確化され、現場実装の前提条件が整理されました。

2024年:世界新規設置64,542台

協働ロボットの新規設置ボリュームが拡大し、産業用ロボット全体の中でも無視できない比率へ上昇しました。

2025年:世界市場14.2億USD

市場売上高ベースでも拡大が続き、調査会社予測では中期の高成長が見込まれています。

2026年:中小企業向け省力化支援が継続

補助制度の継続により、中堅・中小製造業でも導入ハードルを下げやすい環境が続いています。

2030年:世界市場33.8億USD

協働ロボットは、単発導入から複数工程への横展開へ進む市場に移行していく公算が大きいとみられます。

導入判断は「1台」ではなく「1工程」で行う

協働ロボットのPoCでは、ロボット本体の評価だけでは不十分です。工程ごとのROI安全設計補助金活用将来の横展開を一体で見た方が、実装成功率は高まります。

 

ページTOPに戻る