眼内コンタクトレンズ(ICL)の
市場規模と成長予測 市場調査
眼内コンタクトレンズ(ICL)市場は、ニッチでありながら高単価・高成長余地を持つ屈折矯正市場として注目されています。グローバル市場の推計レンジ、STAAR Surgicalの売上推移、日本市場の価格帯と受容度、そして今後の成長ドライバーを整理し、ICL市場の全体像をわかりやすく紹介します。
ICL市場は、白内障用眼内レンズ市場とは異なり、屈折矯正を目的とした自費中心のプレミアム市場です。公的統計だけでは全体像が見えにくいため、企業売上、累計販売本数、価格サンプル、症例構成比、適応拡大を組み合わせて読むことが重要です。
グローバル市場は4〜5億ドル台が妥当レンジ
公開要約ベースでは、Future Market Insightsが2025年市場を約4.0億米ドル、Persistence Market Researchが2026年市場を約4.933億米ドルと推計しています。
ICL市場は一般的な医療機器市場のように多社分散ではなく、少数プレイヤーに集中しているため、売上変動は市場全体の空気感に直結しやすいのが特徴です。
世界市場の下限はSTAARの実績売上から見える
STAAR Surgicalの通期売上は、2024年が3.139億米ドル、2025年が2.394億米ドルでした。2025年の減収は、中国における在庫調整の影響が大きいと読み取れます。
一方で、中国を除く2025年売上は1.617億米ドル、前年比+6.6%であり、需要自体の失速というより、地理的偏在と流通在庫の揺れが大きい市場と整理する方が妥当です。
日本は件数不透明でも高採算な自費市場
日本の全国市場規模を示す一次公表値は乏しい一方、主要都市の料金表では、両眼価格が約42.7万円〜88万円まで広く分布しています。
つまり日本市場は、数量競争よりも高単価の患者転換競争として理解する方が実務的です。価格差には、度数、術者経験、保証期間、乱視補正の有無、術後フォローが含まれています。
ICL市場の把握に使える主要指標を一覧化すると、グローバル市場レンジ、主要企業売上、日本の価格帯、受容度の輪郭が見えてきます。
| 指標 | 値 | 読み方 |
|---|---|---|
| STAAR通期売上 | 2024年 313.9百万米ドル | 世界ICL市場の実績下限に近い主要指標。市場の現実的な規模感をつかむ基準になります。 |
| STAAR通期売上 | 2025年 239.4百万米ドル | 中国在庫調整の影響で減収。需要崩壊ではなく地域要因が大きいとみるべき局面です。 |
| STAAR中国除き売上 | 2025年 161.7百万米ドル、前年比 +6.6% | 非中国需要は増加基調。市場の基礎需要が残っていることを示す補助指標です。 |
| 累計ICL販売実績 | 2026年2月時点で400万枚超、85か国超 | 市場浸透の実績指標。単一企業にかなり集中した市場構造を示します。 |
| 商用市場推計 | 2025年 4.0億米ドル | 公開要約ベースで見た市場レンジの下側です。 |
| 商用市場推計 | 2026年 4.933億米ドル | 公開要約ベースで見た市場レンジの上側です。 |
| 日本の屈折矯正症例構成 | 2023年 ICL 約70% | 日本での高い受容度を示す補助指標。行政統計ではなく、専門家コメントベースのため扱いには注意が必要です。 |
| 日本主要クリニック価格帯 | 両眼 約42.7万〜88万円 | 高単価の自費市場であることを端的に示します。 |
ICL市場の成長は、単に「近視人口が増える」だけでは説明できません。患者母集団、規制上の適応拡大、臨床エビデンス、自費金融設計までが連動して売上に効いてきます。
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近視人口の増加と候補患者母集団の拡大 強度近視・乱視患者の存在は継続的であり、ICL市場の母集団は縮小していません。角膜を削る手術に代わる選択肢として、ICLが候補に入りやすい環境が続いています。
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米国の適応拡大が市場シグナルになる 米国では2022年のFDA承認で-3.0D〜-20.0Dが対象となり、2026年には21〜60歳へ年齢適応が拡大しました。STAARは追加で約800万人への訴求可能性を示しており、成長ドライバーとして大きい要素です。
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長期安全性エビデンスの蓄積 ICLが「高価格でも選ばれる手術」になるには、長期的な有効性と安全性の説明が不可欠です。臨床エビデンスが積み上がるほど、医師・患者の信頼は高まり、市場成長に直結します。
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自費価格と医療ローン設計 日本市場では価格差そのものが市場戦略です。高単価であっても、ブランド、保証、術者経験、術後フォロー、支払い設計をパッケージ化することで成約率を押し上げる余地があります。
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日本では「LASIKの代替」より「上位互換」文脈が強まる 角膜が薄い、ドライアイ、強度近視、レーシック不適応といった層をICLが取り込み、日本では単なる代替手術ではなく、より高付加価値の選択肢として語られる場面が増えています。
市場規模の拡大は、売上だけではなく、販売実績、承認拡大、現場での受容度上昇が重なって進んでいます。
2024年:STAAR通期売上 3.139億米ドル
世界ICL市場の実績下限としてみられる主要数字。市場が依然として高成長余地を持つことを示す基準点です。
2025年:グローバル市場推計 約4.0億米ドル
商用レポート要約ベースで、ICL市場が4億ドル規模に到達したとみられる局面です。
2025年:STAAR売上は減収も、中国除きは+6.6%
全社売上は2.394億米ドルへ低下した一方、中国を除く売上は増加。需要鈍化よりも在庫調整の影響が大きいことが読み取れます。
2026年:グローバル市場推計 約4.933億米ドル
公開要約ベースでは市場レンジがさらに上がり、ICL市場が5億ドルに近づく見方が示されています。
2026年2月:累計400万枚超・85か国超
STAARの公表によれば、ICLはグローバルで累計400万枚超を販売。市場浸透の定量的な節目といえます。
2026年2月:米国で年齢適応が21〜60歳へ拡大
今後の成長余地を考えるうえで重要な規制上の転機です。候補患者の裾野が広がり、訴求できる市場も拡大しました。
注目ポイント:ICL市場は「需要減」ではなく「地域要因で数字が振れやすい市場」
2025年のSTAAR売上減少だけを見ると市場失速のように見えますが、実際には中国の在庫調整が全社数字を押し下げた側面が大きく、非中国売上は増加しています。つまりICL市場は、裾野の広いマス市場ではなく、高単価・集中型・地域偏在の強い市場として読む必要があります。
また日本市場は、公的な全国症例数が見えにくい一方で、価格帯と受容度の高さから、プレミアム自費市場として十分に成立しています。したがって市場分析では、件数だけでなく、単価、保証、術者経験、術後フォローまで含めたパッケージ競争として捉えることが重要です。
詳細確認には、STAAR Surgical Investor Relationsや、Future Market Insights、Persistence Market Researchなどの公表要約が参考になります。
日本は数量公表が乏しい一方で、現場の価格帯と専門家コメントから、ICLの存在感がかなり大きい市場であることがうかがえます。
APACRS / EyeWorld Asia-Pacific
2023年の日本の屈折矯正症例の約70%がICLだったとするコメントは、行政統計ではないものの、日本市場での高い存在感を示す補助証拠として有用です。
市場規模と成長予測の参考リソース
STAAR Surgical Investor Relations
2024年・2025年売上、地域別動向、販売実績など、一次情報として最重要の参照先です。
STAAR Surgical 公式製品情報
ICLの製品ポジションとグローバル展開の基本情報を確認できます。
Future Market Insights
2025年時点の市場規模推計約4.0億ドルを示す公開要約です。
Persistence Market Research
2026年約4.933億ドルという推計を含む公開要約で、市場レンジ上側の参考になります。
PMDA
日本の形式適応や承認条件を確認する際の基礎資料です。中期成長余地を考えるうえでも重要です。
FDA
米国の適応範囲と承認拡大を確認するための一次情報です。日本との制度差の比較にも使えます。
品川近視クリニック
日本市場の価格帯下限をみる際の代表的な参考サイトです。
アイクリニック東京
プラン別価格差を通じて、日本市場のパッケージ競争を把握できます。
南青山アイクリニック
高価格帯のICL提供例として、日本市場のプレミアム性を示す参考になります。
IMI(International Myopia Institute)
近視人口と強度近視の負担増大を理解するための背景資料として有用です。
