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HEALTH FOOD / SUPPLEMENT MARKET

機能性表示食品市場
健康食品とサプリ市場の市場調査レポート

日本の機能性表示食品市場は、制度開始からの拡大フェーズを経て、2024年時点で7,274億円規模まで成長しました。 一方で、紅麹関連事案を契機に制度運用は厳格化し、市場は「量の拡大」から根拠・品質・説明責任を競う局面へ移っています。

7,274億円
2024年市場規模
8,400億円
2027年予測値
6,703件
届出総数 2025年3月末時点
56%
サプリメント形状の構成比

エグゼクティブサマリー:成長市場から、信頼性で選別される市場へ

健康食品とサプリ市場の中でも、機能性表示食品は制度認知、届出件数、商品カテゴリの広がりによって急拡大してきました。 ただし、2024年以降は、消費者庁による制度見直し、自己点検、健康被害報告義務、PRISMA2020準拠、GMP要件化が進み、単純な届出数・広告量だけでは競争優位を維持しにくくなっています。

短期では届出負荷の増加、撤回件数の増加、広告表現の制約が逆風です。 中期では、飲料・乳製品・日常食品に機能を埋め込む食品回帰と、根拠の強い機能訴求への再集中が有望です。

市場規模推移と成長率

機能性表示食品市場は2020年以降、脂肪対策、免疫、睡眠、ストレス、腸内環境などの需要を背景に大きく拡大しました。 2024年以降は制度厳格化の影響により、過去のような20%台成長から、より落ち着いた成長率へ移行する見方が実務的です。

市場規模 伸び率・見方 市場の読み解き
2020年 3,349億円 拡大初期 コロナ下で脂肪対策・免疫関心が追い風となり、健康食品・サプリ市場の中で存在感が上昇。
2021年 4,418億円 前年比23.8%増 制度認知が高まり、サプリメント形状を中心に届出商品が増加。
2022年 5,462億円 前年比24.0%増 脂肪、血糖値、睡眠、ストレスなど、生活者の課題別に商品設計が進展。
2023年 6,914億円 2024年値から逆算 飲料、乳製品、菓子、生鮮食品など、日常食品への展開が加速。
2024年 7,274億円 前年比5.2%増 紅麹関連事案を契機に制度見直しが進み、成長率は鈍化。
2025年 7,806億円 見通し 制度対応コストは増える一方、根拠の強い商品は継続購買を取り込みやすい。
2026年 8,115億円 見通し GMP対応、表示管理、SR作成体制の有無が企業間格差を生む。
2027年 8,400億円 当方予測 制度厳格化による成長鈍化を織り込みつつ、食品回帰と高関心機能の再成長を想定。
市場機会を読む3つの視点

健康食品・サプリ市場における機能性表示食品は、単に「機能を表示できる商品」ではなく、 消費者の健康課題を、食品・飲料・サプリメントの形で日常習慣へ落とし込む市場です。

体脂肪・血糖値・コレステロール対策

健康診断や生活習慣への関心と結びつきやすく、機能性表示食品市場の基盤需要になっています。 健康食品サプリ、茶系飲料、日常食品への展開余地があります。

睡眠・ストレス・メンタルコンディション

現代的な悩みに直結する領域です。 制度厳格化後は、抽象的な「なんとなく健康」よりも、表示機能が明確な商品に需要が寄りやすくなります。

腸内環境・免疫・美容

ヨーグルト、乳酸菌飲料、菓子、サプリメントとの相性が高い領域です。 継続摂取しやすい味・価格・購入導線が、商品寿命を左右します。

主要プレイヤーと届出件数ベースの市場構造

機能性表示食品の売上シェアは公表情報が限定的です。 そのため、実務上は累計届出件数シェアを用いて、参入企業の広がりや商品開発力を確認する方法が現実的です。

届出者・企業 届出件数 市場構造上の位置づけ 読み解き
森永乳業 149件 乳製品・日常食品系 乳製品、飲料、日常摂取型の商品展開と相性が高い。
東洋新薬 147件 OEM・原料開発系 ブランドオーナーを支える開発・製造基盤として存在感が大きい。
ファイン 118件 サプリメント・健康食品系 サプリ市場での商品展開と制度対応の蓄積が強み。
伊藤園 115件 飲料系 茶系飲料・日常飲料と機能性表示食品の相性が高い。
アサヒ飲料 106件 飲料系 スーパー、コンビニ、ドラッグストアでの習慣購買・衝動購買に強い。
食品形態別の届出構成

届出形態ではサプリメント形状が中心ですが、今後の成長余地は飲料、乳製品、菓子、生鮮食品など、日常食品への機能搭載にもあります。 制度厳格化後は、継続しやすい食品形態と、根拠説明の明確さが重要になります。

中心カテゴリ

サプリメント形状:3,735件

全体の約56%を占める中心形態です。 EC、通信販売、定期購入との相性が高く、D2C型の高粗利モデルを構築しやすい一方、品質保証・GMP対応の重要度も高まります。

日常購買

飲料:720件

全体の約11%を占める主要カテゴリです。 スーパー、コンビニ、ドラッグストアでの販売に向き、低単価でも日販・習慣購買を作りやすい点が特徴です。

食品回帰

菓子・乳製品・生鮮食品

菓子類347件、乳製品265件、生鮮食品218件。 「サプリを飲む」よりも「普段の食品で自然に摂る」方向へ広げやすく、今後の差別化余地があります。

消費者セグメントと販売チャネル

消費者は制度そのものを買っているのではなく、体脂肪対策、睡眠、ストレス、免疫、美容、腸内環境といった具体的な便益を買っています。 そのため、商品設計では「機能」「価格」「続けやすさ」「買いやすさ」の組み合わせが重要です。

  • 悩み起点の購買:体脂肪・血糖値・コレステロール 健康診断や生活習慣の見直しと結びつくため、サプリメント、茶系飲料、日常食品への展開がしやすい領域です。 表示機能が分かりやすいほど、購買理由を作りやすくなります。
  • 現代課題型の購買:睡眠・ストレス 若年層から中高年まで幅広い関心があります。 ただし、広告表現は慎重さが必要で、医薬品的な効能を想起させる表現は避けるべきです。
  • 習慣購買型の販売:スーパー・コンビニ・ドラッグストア 飲料・乳製品は、店頭での衝動買いと毎日の習慣購買が強みです。 ヤクルト本社のY1000、キリンビバレッジのiMUSEなど、日常導線に置ける商品は市場接点を作りやすい構造です。
  • 高粗利型の販売:EC・通信販売・定期便 サプリ30日分は、定期便割引やまとめ買いと相性が良い領域です。 低単価日販と高粗利D2C定期の両立が、健康食品・サプリ市場における収益モデルの要になります。
制度変更と実務タイムライン

機能性表示食品は、国が個別に審査して効能を認める制度ではありません。 事業者が安全性・機能性の根拠を届け出て、自己責任で表示する制度です。 今後は品質保証、健康被害情報の収集、SR作成能力、広告表現管理が市場参入・継続の前提になります。

2015年:機能性表示食品制度開始

事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示できる食品制度として開始。 健康食品・サプリ市場の商品開発に大きな影響を与えました。

2024年9月:健康被害報告義務化・表示見直し

紅麹関連事案を契機に、健康被害情報の報告義務や表示方法の見直しが進行。 事業者には、販売後の安全性管理体制がより強く求められます。

2025年4月:PRISMA2020準拠開始

システマティックレビューの透明性・再現性がより重視されます。 表示根拠の作り方そのものが、競争力とリスク管理に直結します。

2026年8月:GMP経過措置終了

サプリメント形状などでは、製造・品質管理体制の整備が重要になります。 GMP対応を完了できる企業ほど、流通採用や消費者信頼の面で優位になりやすいと考えられます。

広告・表示上の注意点

機能性表示食品は「国が効果を認めた食品」ではありません。 LPや広告、商品紹介ページでは、疾病の治療・予防を断定する表現、医薬品的な効能を想起させる表現、過度なビフォーアフター表現は避ける必要があります。 制度厳格化後は、売れる表現よりも、根拠と整合した説明責任が重要になります。

機能性表示食品市場のSWOT分析

健康食品・サプリ市場の成長領域である一方、制度対応コストと信頼性管理の重要度が上がっています。 今後は、商品数を増やすだけでなく、根拠・品質・継続性まで含めた総合設計が求められます。

Strength|強み

日常食品へ機能を載せやすく、飲料、乳製品、菓子、サプリメントへ横展開しやすい。 消費者の健康課題と直接接続しやすい点も強みです。

Weakness|弱み

売上シェアが分散しており、差別化が難しい。 根拠の質、味、価格、継続しやすさが弱い商品は、広告費を投下しても定着しにくい構造です。

Opportunity|機会

腸内環境、睡眠、免疫、美容、ストレス対策など、高関心機能に再集中しやすい。 食品回帰により、毎日の購買導線へ入り込む余地があります。

Threat|脅威

撤回件数増、制度対応コスト上昇、広告効率悪化、紅麹問題後の信頼毀損がリスク。 品質保証と表示管理に弱い企業は淘汰圧力を受けやすくなります。

短期アクション:既存SKUの根拠・表示・品質体制を棚卸し

まず優先すべきは、既存商品の根拠、表示、広告表現、GMP対応、健康被害情報の収集体制を点検することです。 撤回リスクの高い訴求は早期に見直し、制度対応を終えたうえで、飲料・乳製品・日常食品への機能載せ替えを検討することが有効です。

中期アクション:機能×味×継続性の設計

2026年以降の再成長局面では、単一機能の訴求だけでなく、生活者の文脈に合わせた商品設計が重要になります。 EC定期と量販店日販を組み合わせ、認知獲得から継続購買までを一体で設計することが、健康食品・サプリ市場における競争力につながります。

1. 単一機能からマルチヘルスクレームへ

体脂肪、睡眠、腸内環境、美容など、生活者の複合的な悩みに合わせた機能設計が有望です。 ただし、表示根拠との整合性を保つことが前提です。

2. 食品として続けやすい設計へ

味、価格、容量、摂取タイミング、購入場所の設計が重要です。 「効きそう」だけでなく、「毎日続けられる」ことが市場定着の鍵になります。

3. EC定期と店頭日販のハイブリッド運営

サプリはEC・定期便、飲料・乳製品は量販・コンビニ・ドラッグストアと相性が良い。 商品形態ごとに最適な販路を組み合わせることが重要です。

 

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