日本のペット用品市場
市場調査レポート
日本のペット用品市場について、消耗品・衛生・介護・デンタル・雑貨の構造、成長鈍化と成長余地の所在、主要プレーヤー、チャネル戦略を整理します。フード市場より成長は緩やかですが、高回転消耗品と機能性衛生品には参入余地が残っています。
ペット用品市場は、単なる「グッズ市場」ではなく、トイレ・衛生・外出マナー・介護・デンタルケアを含む生活管理市場として捉える必要があります。成長の主軸は、犬猫の飼育頭数増ではなく、室内飼育、清潔志向、高齢化、機能性ニーズの拡大です。
必需消耗品が市場の土台
犬用トイレシーツ、猫砂、マナー用品など、日常的に補充される商材がペット用品市場の安定基盤です。
価格競争は起きやすい一方、定期購入・まとめ買い・大容量化との相性が高い領域です。
衛生・デンタルが成長ニッチ
消臭・脱臭、デンタルケア、ボディケアなどは、健康・清潔訴求と相性が良いカテゴリです。
特にデンタルケア用品は、ドラッグストア棚との親和性が高く、粗利を乗せやすい領域です。
介護・マナー用品に再定義余地
ペット用おむつは高齢犬猫向けの介護用品にとどまらず、外出時のマナー用品としても需要が広がっています。
「行動半径を広げる用品」として位置づけることで、訴求の幅が広がります。
猫関連用品は安定需要
猫砂、消臭用品、爪とぎ、ケア用品などは、猫飼育世帯の安定した日常需要に支えられます。
消臭、軽量、粉塵低減、pHチェックなど、機能差別化の余地も残っています。
市場規模は拡大するが、成長率は鈍化
日本のペット用品市場は2024年度に3,383億円となり、2020〜2024年度のCAGRは約4.9%でした。過去数年は価格改定、高付加価値化、衛生用品需要の拡大により堅調に伸びています。
一方で、2025〜2029年のCAGRは約1.4%と見込まれ、フード市場よりも成長は緩やかです。今後は市場全体の大幅拡大よりも、高回転消耗品を基盤に、デンタル・消臭・介護・外出マナーを上乗せする戦略が重要になります。
日本ペット用品市場の推移
単位:億円。2024年以降は公開予測・延長推計ベース。定量はYano公開値に基づく整理。
用品市場は総市場の約6分の1〜5分の1規模です。成長余地は、耐久品よりも日常補充型・衛生管理型・ケア型の商品にあります。
| 主要指標 | 2020 | 2024 | 2025F | 2029E | コメント |
|---|---|---|---|---|---|
| 市場規模 | 2,791億円 | 3,383億円 | 3,404億円 | 3,602億円 | 2020〜2024 CAGRは約4.9%、2025〜2029E CAGRは約1.4% |
| 2024年構成比 | 16.6%前後 | 17.7% | — | — | ペット関連総市場の約6分の1〜5分の1規模 |
| 成長カテゴリ | — | — | — | — | トイレシーツ、猫砂、ペット用おむつ、デンタルケア用品 |
| 抑制カテゴリ | — | — | — | — | 耐久品は買い控え傾向が示唆される |
用品市場の実態は、玩具や雑貨だけではなく、医療・トリミング・衛生・ケアと連動する生活管理需要です。犬猫ともに、雑貨・おもちゃ・衣類への支出は一定規模を持ちます。
| 飼育者区分 | 医療費 | トリミング等 | 雑貨 | おやつ | おもちゃ・衣類 | 示唆 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 犬1頭飼育者 | 60,423円 | 56,121円 | 19,684円 | — | 15,184円 | 衛生・外出・介護・身だしなみ関連の周辺用品需要が大きい |
| 猫1頭飼育者 | 50,658円 | — | 19,847円 | 19,740円 | 12,195円 | 猫砂・消臭・雑貨・遊び関連用品の継続需要がある |
用品市場では、トイレタリー、猫砂、シーツ、マナー用品、オーラルケア、玩具、介護用品などで強みを持つ企業が競合します。高回転消耗品を押さえる企業ほど、棚・定期購入・ブランド想起を取りやすい構造です。
ユニ・チャーム
デオシート、デオトイレ、マナーウェアなど、犬猫トイレタリーとマナー用品に強い企業。高回転消耗品のブランド力が高い。
ドギーマンハヤシ
用品、衛生、玩具、スナックを広く展開。2024年3月期連結売上は255.6億円で、用品とスナックの双方に接点を持つ。
ライオンペット
オーラルケア、ボディケア、トイレタリー領域に強み。健康・清潔訴求の専門性が高く、デンタル領域で注目される。
アイリスオーヤマ
猫砂、ペットシーツ、周辺用品を展開。量販チャネルに強く、大容量・価格訴求型の商品展開と相性が良い。
ペティオ
玩具、犬具、介護用品、猫砂など犬猫用品を幅広く展開。日常用品からケア用品まで横断的にカバーする。
イオンペット
用品販売193店舗を持つ小売・サービス接点。棚確保力とサービス連動により、消耗品・ケア用品の販売導線を作りやすい。
用品市場では、売上比率ベースのチャネル公開値は限定的です。代替指標として購入チャネル利用率を見ると、ホームセンター・ディスカウントストアが最大導線で、ネット通販、ドラッグストア、スーパーも重要です。以下の数値は売上比率ではなく、購入利用率です。
| チャネル | 犬飼育者 利用率 | 猫飼育者 利用率 | 用品市場への示唆 |
|---|---|---|---|
| ホームセンター・ディスカウントストア | 55.2% | 58.5% | 用品の最大導線。大容量、価格訴求、まとめ買いに適する。 |
| ネット通販 | 40.6% | 36.8% | 猫砂、シーツなど重量商材や定期補充品と相性が良い。 |
| ドラッグストア | 34.1% | 40.6% | 消臭、デンタル、衛生、ケア用品との親和性が高い。 |
| スーパー | 29.1% | 40.1% | 猫用品のデイリー補充で強い。食品買い物との併売が期待できる。 |
| ペットショップ | 31.2% | 16.2% | 高付加価値品、説明販売、ケア用品、専門用品に向く。 |
公開定量が未指定のカテゴリも多いため、数値がない箇所は「未指定」とし、Yanoの用品市場コメントと各社商品構成から方向性を整理しています。
| 価格帯・製品カテゴリ | 公開定量 | 方向性 | 実務上の着眼点 |
|---|---|---|---|
| 低〜中価格の必需消耗品 | 金額シェア未指定 | トイレシーツ・猫砂が市場の土台 | 定期補充、大容量、EC配送、PB競合への対応が重要 |
| 中価格の機能衛生品 | 金額シェア未指定 | 消臭・脱臭、デンタル、ケア用品が拡大 | ドラッグストア棚、健康訴求、機能比較が有効 |
| 高価格の介護・外出用品 | 金額シェア未指定 | おむつはマナー用途も含め伸長余地 | シニアケアだけでなく外出・旅行・公共空間マナーで訴求可能 |
| 耐久品 | 未指定 | 買い控え傾向 | 景況感悪化時に後回しにされやすく、価格弾力性に注意 |
| 猫関連用品 | 金額シェア未指定 | 猫頭数の安定を背景に拡大余地 | 猫砂、消臭、爪とぎ、室内環境改善用品に機会 |
参入・拡販を検討する場合は、「高回転消耗品で顧客を取り、機能性衛生品で粗利を乗せる」設計が合理的です。チャネルごとに訴求商品と価格設計を分ける必要があります。
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猫砂・シーツで定期補充基盤を作る まずは猫砂・トイレシーツなどの高回転消耗品で継続購入接点を作り、EC定期便、まとめ買い、災害備蓄訴求につなげる。
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におい対策・デンタル・マナーウェアへ拡張する 消臭、脱臭、デンタルケア、マナーウェア、シニアケア用品は、機能価値を説明しやすく、粗利改善余地がある。
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チャネル別に商品設計を分ける ホームセンター向けは大容量・価格訴求、ドラッグストア向けは衛生・ケア訴求、EC向けは定期便・まとめ買い・重量商材配送を重視する。
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猫・シニア向けを優先する 日本の世帯構造、室内飼育、ペット高齢化と整合するため、猫関連用品とシニアケア用品は優先度が高い。
日本のペット用品市場調査 関連リソース
矢野経済研究所 ─ ペットビジネス市場調査
ペット関連総市場、ペットフード、ペット用品、生体・サービスなどの市場規模・予測を確認するための主要出典。
矢野経済研究所 ─ ペット関連市場動向
ペット用品市場の成長カテゴリ、トイレシーツ、猫砂、おむつ、デンタルケア用品などの動向確認に有用。
一般社団法人ペットフード協会 ─ 2025年調査データ
犬猫飼育者の支出、購入チャネル、飼育実態など、用品需要を読み解くための基礎データ。
ペットフード協会 ─ 犬猫別データ
犬・猫別の支出や購入行動を整理する際に参照できる公開資料。
ペットフード協会 ─ 購入チャネル関連データ
ホームセンター、ネット通販、ドラッグストア、スーパー、ペットショップの利用率把握に活用。
ユニ・チャーム ペット
デオシート、デオトイレ、マナーウェアなど、トイレタリー・マナー用品の主要ブランドを確認できる。
ライオンペット
オーラルケア、ボディケア、トイレタリーなど、衛生・健康訴求型用品の主要企業。
アイリスオーヤマ ─ 猫砂・ペット用品
猫砂、ペットシーツ、周辺用品など、量販・大容量ニーズに対応する商品構成を確認できる。
