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製造業の更なる高度化・ネットワークを目指して、Industrial Internet Consortiumが発足

Industrial Internet Consortiumが発足

2014年3月、3月27日、GE (General Electric), AT&T, Cisco, IBM, Intelの5社 がIndustrial Internet Consortium(IIC)の設立を発表した。
プレスリリースによると、IICはその活動内容を以下のように設定している。
– 既存/新規のユースケースを活用して、規定して,実世界でのテストベットを提供する。
– 技術導入を用意にするための、ベストプラクティス,レファレンスアーキテクチャ,ケーススタディ,標準化要求条件の提供。
– インターネットと産業システムの標準化策定を提言を行う
– 公開フォーラムを運営して,実世界のアイデア・実践・学習・知見の共有を進める
– 革新的アプローチに求められるセキュリティに求められる信頼性を確保する.

中心は航空・電力・医療・鉄道・石油/ガス採掘産業になるが、自ら標準仕様を作るというより,標準仕様に対する要求条件やユースケース,標準仕様の実装に対して互換性を保証するテストベッドの提供に活動の中心を置く。

米国のペニー・プリツカー商務長官は「産業インターネットは、実世界のモノをサイバー空間が持つ大きな力とつなぎ、人々の技術の利用方法を劇的に変えることができる。当政権は、新しいIICのような官民パートナーシップと連携し、革新的な産業インターネット向けの製品やシステムによって、スマート製造、ヘルスケア、交通などの分野で新たな雇用を創出することを期待する。」と言葉を寄せた。

NSF (全米科学財団) コンピューター・情報科学・エンジニアリング部門アシスタントディレクターのF.Jahanian氏は「NSFが研究を進めてきたサイバーフィジカル・システム(CPS)を実行に移す上で、IICは素晴らしい媒体となる。民間部門がCPSの基礎的成果を導入することは、研究開発と革新のエコシステムで重要な要素だと考える。」と言葉を寄せた。

Industrial Internetとは

Industrial Internetとは2012年末にGEが提唱した概念であり、「様々な産業機器をInternetに融合させることで経済効率の改善」である。
これを技術的ポジションで見ると、M2M・IoT・CPS (Cyber-Physical Systems)の全体とIoP (Internet of People)の一部をカバーする領域となっている。ほぼすべてがカバレッジされている。

そして、下図に示すように、これからの技術・アプリケーションがその進歩にあわせて順次、包括されていくことになる。


市場規模で考えると、Industrial Internetにとってのビジネスチャンスは今日においてすら、$32Trillion (約3200兆円)とGEは見積もっている。
世界全体のGDPは$70Trillionであるから、その46%がIndustrial InternetにとってのAddressable Marketという事になる。非常に大きな市場となる。


この見積りは125億のデバイスがネットワークにつながった12~13年の事ではある。
2020年には約500億のデバイスがネットワークにつながるという予測がCiscoから出されているが、Addressable Marketの比率は今後、更に拡大し、市場規模の絶対値も拡大すると予想される。

それにより、Industrial Internetの普及、コネクテドデバイスの普及により、2020年にはコネクション数が1.3兆回線にも上ると予想されています。

Industrial Internetの導入効果という視点から考えると、航空・電力・医療・鉄道・石油&ガス採掘に導入し作業効率を1%改善することで、15年間で$300B (約30兆円)のコスト削減をGEは見積もっており、非常に大きな効果が期待されている。

市場予測について

Industrial Internet市場 (投資規模)は、2020年には$514Bへの成長し、50% CAGRでの成長率が予測されている。
しかし、世界GDPにおけるIndustrial Internet投資の規模を考えるならば、まだまだ成長の余地があるとも考えられる。

業界への提言

日本の工作機械メーカ・産業機械メーカは強い競争力を持っている。
ここにIndustrial Internetという津波が押しよせつつある。このConsortiumを人間で例えると、耳目・手足たるGEが、頭脳を強化するためIBMを誘い込み、神経を強化するためにAT&T/Ciscoを誘い込み、体細胞を抜本的に強化するためにIntelを誘い込んだと見做す事もできる。
そして、彼らは米国政府の支援をも取り付け、業界標準作成をリードし、3200兆円マーケットを抑え込もうとしている。

Industrial Internet規格策定でも米国に先を越され、日本ベンダーは更に後退するのであろうか。
ただ、日本メーカは歴史的に見て、これらの複合体になっている。例えば、NTTは頭脳と運動神経を、日立は手足・頭・運動神経を、NEC・富士通は頭と運動神経を、東芝・パナソニックは耳目・手足を、キャノン・ソニーは耳目を、それぞれ持っている。
自社の強みと他社の強みを適切に組み合わせる事で工作機械・産業機械メーカと提携していく事もできよう。
又、Addressable Marketの規模からしても、まだまだ、挽回する余地はあるように思われる。前途には巨大な市場が存在する。
日本メーカの奮起を期待したい。

参考調査レポート

1. ナノセンサ市場 2014年
 Nanosensor Markets – 2014
 NanoMarkets社発行 (2014年4月)

2. 世界のスマートシティ通信ネットワーク市場の分析と予測:スマートエネルギー、スマート交通、スマート水道、スマートビル、スマート政府向けファイバー、セルラー、Wi-Fi、RFメッシュ、電力線通信 (PLC) ネットワーク
 Smart City Communication Networks
 Navigant Research社発行 (2014年3月)

3. 世界のクラウドコンピューティング:インフラ、プラットフォーム、サービス 2014-2019
 Global Cloud Computing: Infrastructure, Platforms, and Services 2014 – 2019
 Mind Commerce発行 (2014年3月)

4. M2Mプラットフォーム市場における競合力学
 Strategy Report – Competitive Dynamics in the M2M Platform Space
 Machina Research社発行 (2014年1月)

参考文献

 Tutorial Industrial Internet – The NEXT WAVE
 Defining and Sizing the Industrial Internet

IoTをめぐるIICメンバーの動き

時期 出来事
2010年9月 IBM、世界初の「モノのインターネット技術センター」北京に設立
2012年5月 AT&T、「Digital Life」サービスを発表
2012年10月 Cisco、「Fog Computing」コンセプトを発表
2012年11月 GE, 「Industry Internet」コンセプトと向こう3年間での$1.5B投資を発表
2013年11月 Intel, 「Intel Internet of Things Solution Group」を設立。製品系列はAtomとQuark
2014年2月 AT&TとIBM、都市/中規模公益機関のビッグデータ統合・分析ソリューションで業務提携。想定アプリケーションは公共交通機関/水光熱メータ/防犯カメラ等
2014年2月 Cisco 、「フォグコンピューティング」のプラットフォームCisco IOxを発表
2014年3月 AT&T・Cisco・GE・IBM・Intelの5社、Industrial Internet Consortium結成を発表
2014年6月(予) マサチューセッツ州ボストンにてConsortium Meeting
2014年9月(予) テキサス州オースティンにてConsortium Meeting
2014年12月(予) カルフォルニア州ロングビーチにてConsortium Meeting
2015年3月(予) バージニア州レストンにてConsortium Meeting

 


筆者: 株式会社データリソース 客員研究員 鈴木浩之 (株式会社ICTラボラトリー代表取締役)

 

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