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離陸準備に入った「 仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) 」

■VDIによる管理工数削減とセキュリティの向上
PCはドキュメント作成やコミュニケーションに必須のビジネスツールとして認識されているが、社員一人一人の手元に置かれたクライアントPCの保守・サポートの負荷(多くは情報システム部が担当する)、そして重要なビジネスデータの管理を個々の社員にゆだねることによるセキュリティの不安は、問題点として以前から指摘されてきた。
これらの問題を解決する方法として、PCが行っていた計算処理とデータ保存をサーバー側で受け持ち、社員の使う端末には画面表示用のグラフィックだけを送り、端末上にデータを残さないシンクライアントシステムが提案されていたが、導入コストとパフォーマンスに難がありなかなか普及しなかった。
しかし、仮想化技術の進展に伴ってデータセンターに置いた実サーバー上で1台あたり数十の仮想OSを立ち上げ、それぞれにデスクトップPCの処理を割り振ることが低コストで可能になった。これがデスクトップ仮想化=VDI(Virtual Desktop Infrastructure)システムだ。
VDIの導入は、クライアントマシンの障害対応やOSパッチなどのシステム情報部のサポート負荷を削減し、データの集中管理により情報漏えいなどの危険性も大幅に低減される。


fig.1 VDIシステムの構成(http://www.vmware.com/pdf/vdi_sizing_vi3.pdf より)

■急成長するVDI市場と導入状況
VDIのワールドワイドの市場規模は2009年には50億ドルだったが、2016年には500億ドルに急成長すると予測されている。IT系投資の伸びが抑制されているなか、格段の成長率だ。2014年には全世界で15%のデスクトップPCがVDIに置き換わるという予測もある。
米国では世界平均の2倍の速度で普及が進んでいるが、ヨーロッパでも日本でもここ数年平均25%前後の成長率となっている。
導入理由としては上記の管理工数削減とセキュリティ向上対策に加えて、欧米ではフリーアドレスによる在宅勤務もVDI導入の大きな理由となっている。どの端末からも個々のデスクトップシステムにアクセス可能なため、自宅のPCや外出先からのモバイルアクセスが実現できる。また、仮想化によるサーバー統合と連携することでコストの効果的な削減も可能になる。
VDI導入にあたって、大規模な人数での利用や安定した運用に不安を抱くかも知れないが、すでにワールドワイドで豊富な導入事例が存在しており、技術面での信頼性は高い。たとえば、米国の急性期後医療サービスの最大手プロバイダ、キンドレッドヘルスケアは、競合他社を買収したとき、VDIを利用して翌日には移行してきた25,000新入社員のアクセスを有効にしている。


fig.2 VDIワールドワイドマーケットの変化予測 (ABI Research 2011 June)

■ベンダー動向
仮想化ソフト全体ではVMWareが圧倒的なシェアを占めているが、VDIについて見てみると米国2011年時点でCitrix SystemsとVMWareがインストールベースでともに4割を超えるシェアを持ち、拮抗している。従来VDIではCitrixがリードしていたが、VMWareはVMWare View Clientなどツールの充実とコストパフォーマンスの改善によって急速にシェアを伸ばしてきた。
Citrixは大企業向けのXen Desktopが中心製品だったが、VMWareは中小・中堅企業からシェアを拡大し、エンタープライズへの攻勢を開始している。
Citrixもこの状況に手をこまねいているわけではない。低価格のVDI用仮想アプライアンス「Citrix VDI-in-a-Box」を投入し、低価格と最短10日という導入期間、運用の容易さを武器に中堅・中小企業マーケットへの展開を図っている。
さらに提携販売戦略としてCitrixの「VDI-in-a-Box」とIBMのx86サーバーIBM System x3650 M3をバンドルした「All-in-one VDI Box」の提供も開始されている。仮想化製品は運用上のトラブル防止のためにアプライアンス化が進む傾向にあり、仮想ストレージや仮想ネットワークなどではすでに多くの製品が出てきている。運用保守の負荷削減が目的の一つであるVDIにとって、アプライアンス化は当然の流れだ。また、独自のVDI(MSCP)を提供し2割弱のシェアを持っていたMicrosoftが、Citrixとの連携を強化しており、その移行分を考えると、まだCitrixがシェア的にアドバンテージを持っているといえそうだ。


fig.3 VDIの仮想化OSシェア(2011年6月末と年末の対比、モルガン・スタンレーより)

■今後の予測
2016年にはWindowsXPのサポートが切れるため、従来であれば多くの企業はスペックアップしたPCを買い替えてOSのアップデートを図るところだが、多くのメリットを持つVDIに切り替えるという新たな選択肢が出てきている。VDI導入はこのタイミングでピークを迎えることが予測され、これからの3年間、CitrixとVMWareの技術競争、サービス競争はさらに白熱していくだろう。

 

■VDI関連資料 (お問い合わせはデータリソース社へ)

「欧州のクラウドベースVDI市場 2011-2015年」
Cloud-based VDI Market in Europe 2011-2015
出版社; インフィニティリサーチ社 発行年月; 2012年6月

「中国と韓国の次世代ネットワーク 2012-2017年:市場動向、課題、展望」
Next Generation Network China and South Korea 2012-2017: Market Trends, Challenges and Prospects
出版社; マインドコマース社 発行年月; 2012年6月

「デスクトップ仮想化; 業務用PCの仮想デスクトップと世界市場」
Desktop Virtualization: The Global Market for Virtualized Business Desktop PCs, examines
出版社; ABI Research社 発行年月; 2011年6月

 

fig.1 VDIシステムの構成(http://www.vmware.com/pdf/vdi_sizing_vi3.pdf より)

fig.2 VDIワールドワイドマーケットの変化予測 (ABI Research 2011 June)

fig.3 VDIの仮想化OSシェア(2011年6月末と年末の対比、モルガン・スタンレーより)

 

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