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携帯電話各社の基地局戦略と無線機市場

~総務省の無線局統計情報によるキャリア3社の全基地局調査と無線機市場の分析~

 

出版社 出版年月電子版価格
ROAホールディングス
ROA Holdings
2014年11月¥198,000 (税別)
Excel (CD-ROM)

サマリー

本レポートの紹介
 
レポートサマリー
本調査レポートは、総務省の「無線局統計情報」を使用して、26万件にも及ぶ基地局データを検索し、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル3社の基地局展開とその運用の実態を明らかにしました。
本レポートの特徴は、個々の基地局の出力、帯域の併設状況を調査することによって、各基地局をマクロセル、スモールセル/ピコセル、フェムトセル/屋内局と言ったタイプに分類しました。さらに、周波数帯による併設状況から併設タイプ(単独局、併設局)を特定し、上記の基地局タイプと併せて併設タイプ別・基地局タイプ別の総セクタ数を算出しました。これによりセクタベースでの無線機ベンダシェアを推定しました。
また、基地局を併設タイプ、周波数帯域別に大都市、中核都市、地方都市、ルーラルの4分類でエリア展開状況、LTE化率等を調査しました。
 
 
■調査レポートのポイント
・26万件に及ぶ基地局データを調査
→所在地、免許取得の年月日、各周波数帯域別の出力
・併設タイプ、周波数帯域別、出力別の分析
・人口エリア別の分析
→大都市、中核都市、地方都市、ルーラルの4分類
・セクタベースでの無線機ベンダシェア
→大都市、中核都市、地方都市、ルーラルの4分類
 
■調査の対象
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル
総務省の「無線局統計情報」(2014年8月16日、および2014年8月30日現在)
 
■調査結果抄録
 
局数ではソフトバンク、セクタ数ではドコモ、LTE局数ではKDDIがトップ
 
ドコモ、KDDI、ソフトバンク3社の携帯電話基地局数は、 総務省の「無線局統計情報」によれば2014年8月現在それぞれ7万局、6万4,000局、12万3,000局で、3社合計25万7,000局である。ただし、包括免許局や中継局は含んでいない。
これらの局数は、サイトベース(ロケーションベース)でカウントされているが、ソフトバンクだけはLTE以外は併設局として登録していないため免許数ベースに近いと言える。仮に、ソフトバンクの併設局を推定し、同じサイトベースで換算すれば93,000局程度になる。
それでも、基地局数は他社に比較して断トツに多い。しかし、ネットワークの収容力を決める総セクタ数は、KDDIを少し上回る26万5,000セクタにとどまり、最多のドコモより11万セクタも少ない。
これは、ソフトバンクの基地局がオムニ局と呼ばれる1セクタ局が多いことによる。対して、ドコモは、6セクタ局を含めた多セクタ局を展開し、メインバンドの2GHzに加えて、800MHz、1.5GHz、1.7GHzといった豊富な帯域を持っている。そして、それらの帯域を組み合わせた併設局を数多く展開している。
局数と免許数との関係では、ドコモやKDDIが局数に対して免許数が3~4倍と多いのに対して、ソフトバンクは1.3倍程度と非常に少ない。これは、ソフトバンクでは免許上ではLTE以外は併設局がないためだ。もうひとつは、ドコモやKDDIがLTEへの移行過程で同じ帯域に複数のLTE帯域の免許を取得していることだ。その結果、ドコモやKDDI のLTE局では実際に運用されていない免許が多数存在している。
 
 
各社の局数・免許数・セクタ数
 
 
 
LTE化という点では、KDDIがほぼ100%を達成し、70%のドコモ、30%弱のソフトバンクに大きく差をつけている。KDDIの急速なLTE化の背景には、新800MHzへの移行過程で空き帯域が発生したという要因もあるが、同社のネットワーク方式、つまりマイナーなcdma2000からメジャーのW-CDMA方式の流れをくむLTEへの転換という戦略が大きく関わっている。
これに対して、ドコモ、ソフトバンクは既存の3GユーザーをLTEで巻き取るのに手間取り、LTE帯域の確保に時間がかかった。ソフトバンクモバイルは未だ30%にも満たない状態だが、それを補うのがワイモバイルやWCP等によるMVNOだ。
 
 
スモールセルで先行するKDDI
 
マクロセル、スモールセルと言った基地局タイプでは、各社ともマクロセルが大部分を占めるが、KDDIはスモールセルを都市部に大量に展開しているのが特徴的だ。このスモールセル展開の契機となったのが、iPhone5である。それまでKDDIはメインバンドの800MHzでLTEを展開していたが、iPhone5は2GHz帯しかLTEに対応していなかったため、KDDIは急遽2GHz帯のLTE化を迫られた。そこで目をつけたのがコストと時間を大幅に節約できるピコセルだった。
 
 
各社の基地局タイプの比率

 

屋内局ではドコモが最も局数が多いが、ほとんどが包括免許に移行しているので、「無線局統計情報」の数字はごく一部に過ぎない。
同じくソフトバンクはフェムトセルをマクロセルに匹敵する局数を展開しているが、これも包括免許となっているため、「無線局統計情報」では見ることができない。
 
 
無線機市場では海外ベンダ3社が70%のシェア
 
無線機ベンダシェア(セクタベース)
 
 
 
 
NSN(旧モトローラ、パナソニックシステムネットワークスを含む)が総セクタベースで50%近いシェアを持ちトップベンダとなっている。同社は3事業者に無線機を供給している唯一のベンダだ。ノキア時代も含め、3Gからの新規参入にも関わらず、M&Aによって一気に日本市場のトップベンダにのし上がった。
2位のエリクソンは、ソフトバンク向けがメインだ。3Gまではドコモ向けに国内ベンダと同レベルのシェアを持っていたが、ドコモ向けLTE対応無線機の開発ではかなり出遅れて、現在の段階でもほとんどシェアを取れていない。
上位2社にサムスン電子を含めた海外勢は70%近いシェアで、無線機市場は完全にグローバル化している。一方、NEC、富士通など国産ベンダは独自仕様で守られたドコモ頼りの状態だ。
今後のベンダシェアの変化を予測してみると、大きく動きそうなのがKDDI向け市場だ。そのカギを握るのはこれから始まる700MHzの基地局投資である。700MHzは、割り当てられた帯域が下り10MHzと狭いため、当然2GHz等の他の周波数帯域とのキャリア・アグリゲーションを前提として使用されることになる。従って、700MHzは他の帯域の無線機にも影響が及ぶことになる。
NSNは、KDDI向けの無線機が全体の半分と、非常に大きなウエイトを占めている。しかし、700MHzのベンダに選定されないなどKDDIとの軋轢も目立つ。そうした中でサムスン電子やエリクソンが攻勢をかけているが、ここでも国産ベンダの姿はない。

 



目次

目次

Ⅰ.分析編
 調査概要
1.携帯電話各社の基地局展開の特徴
2.各社のエリア展開の現状
3.各社のLTEの現状
4.出力から見た各社の基地局構成の特徴
5.周波数帯別局数の動向
6.各社の無線機の現状
7.無線機ベンダシェアの動向

Ⅱ.NTTドコモ編
1.エリア展開の現状
2.出力による基地局の種類とセクタ数
3.無線機の分類とその仕様
4.無線機のベンダシェア
5.LTE化の進捗状況
6.2GHzにおけるLTE化の現状
7.800MHzにおけるLTE化の現状
8.周波数帯別局数の動向
データ編(周波数帯別出力の全データ)

Ⅲ.KDDI編
1.エリア展開の現状
2.出力による基地局の種類とセクタ数
3.無線機の分類とその仕様
4.無線機のベンダシェア
5.LTE化の進捗状況
6.2GHzにおけるLTE化の現状
7.周波数帯別局数の動向
データ編(周波数帯別出力の全データ)

Ⅳ.ソフトバンク編
1.エリア展開の現状
2.出力による基地局の種類とセクタ数
3.無線機の分類とその仕様
4.無線機のベンダシェア
5.LTE化の進捗状況
6.周波数帯別局数の動向
データ編(周波数帯別出力の全データ)
図表目次

 

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