位置情報サービス (LBS) は韓国では"位置基盤サービス"と呼ばれ、携帯電話通信キャリアやソリューションメーカーが積極的に提供を進めています。韓国、中国、そして日本に拠点を置き、世界の移動体市場を調査するロアグループ社は、韓国の位置情報サービスを調査・分析したレポート「韓国位置情報サービス(LBS)の動向と展望 - 市場現況による期待効果を中心に」の出版を発表しました。 「韓国位置情報サービス(LBS)の動向と展望 - 市場現況による期待効果を中心に」レポートでは、韓国の位置情報サービスの現況と技術動向についての調査結果を分析しています。また各移動体通信キャリアやソリューションメーカーの動きについても解説・分析しています。さらに韓国の位置情報サービスの法規制に関する分析結果も掲載しています。 エクゼクティブサマリー レポートガイドライン 日本の総務省は2007年4月以降、移動体通信キャリアが新しく提供する3G携帯端末に対し、GPS測位方式による位置情報通知機能に対応するよう義務付ける方針を固めている。この背景にはやはり、自然災害及び事故等の個人の安全と緊急救助に関連し、警察及び消防等に110番/119番へ通報した際、位置情報を把握できるインフラを確保するための方針であるとみられる。 このような動きは日本の移動体通信キャリア側からみると、位置情報サービス(以下LBS)の対象顧客群が急速に拡大する環境が形成されるため、新規モデルと金のなる木(Cash Cow)に頭を悩ます各移動体通信キャリアにとって喜ばしいことである。 グローバル市場においてもネットワーク基盤の測位技術(セルID、AOA(Angle of Arrival)、TOA(Time of Arrival)、端末基盤測位技術(GPS)、ハイブリッド測位技術(Assisted GPS)、E-OTD(Enhanced Observed Time Difference))等のさまざまな測位技術を基盤とし、米国、英国、豪州等ではLBS(Location Based Service)の適用が加速化している。また英国、豪州等ではTDOA(Time Difference of Arrival)測位技術を活用して盗難防止サービスが活性化されている。 先進国を中心にLBSが移動体通信キャリア、コンテンツプロバイダ、端末メーカー、アプリケーション開発業者、サービス提供業者等へ新しい収益源とビジネスモデルを創出する活力の素となっているのである。 [図 1]産業間のコンバージェンスを促進するLBSサービスの概念  拡大画像 韓国市場もまた2005年7月末に位置情報保護法が施行されたことで、その間移動体通信キャリアにより任意で運営されていた位置情報及びLBSの基本となる法律が制定され、個人のプライバシー保護及び位置情報利用に対する指針が具備された。これにより移動体通信キャリア及びLBS事業者そしてコンテンツプロバイダ、アプリケーション開発プロバイダは本格的なLBS市場の開花を期待している。また新しいLBSビジネスモデルの発売及び既存モデルの高度化に焦点をあわせ、急速な動きを見せている。 特にセンサーネットワーク、通信インフラ、GIS、端末技術等が結合し、2010年ごろにはユビキタスLBS環境が形成されるための技術開発及びサービス開発が法律、政府レベルの支援とあわせて活発に展開されている状況である。 [図 2]ユビキタスLBSの技術構成要素  拡大画像 韓国と比較した場合、日本市場は比較的安定した社会システムを基盤として他の産業との連携及びコンバージェンスが着実に拡大するものと予想される。一方、韓国は位置情報保護法の施行と同時に移動体通信キャリアの積極的なサービス開発と競争が本格化されると予測される。よって新しいビジネスモデルの市場への適用はかなり早く展開されると予測される。同時にセルID、GPS、TDOA等の測位技術の精度によりさまざまなビジネスモデルの激戦場となるだろう。 韓国政府もまたこのようなLBS産業の活性化に積極的な姿勢を見せており、他のIT産業と同じように狭い韓国市場での結果を期待するよりも韓国をテストベット化し、迅速な結果と調整を経て技術及びサービスの海外市場進出に成功する基盤形成を最も至急の課題として認識しているようである。 日本市場及び企業側からみると、韓国での2006年及び2007年のこのような発展事例が良いベンチマークとなり、特に技術的な協力と共にグローバル市場への進出に向け事前に韓国での市場テストができるという利点を積極的に活用できると判断する。 調査範囲 本レポートでは韓国におけるLBS市場規模と共に昨今関心が高まっている背景の分析と同時に、韓国のLBS関連技術の発展状況及び標準化動向についてグローバル市場との比較を行なった。同時にLBS事業者と移動体通信キャリアを中心に推進されているLBSビジネスモデルを紹介し、その分析を行なって関連企業の現在の状況を要約した。テレマティクスは独自の領域が既に確保されている分野であるため、本レポートのLBSビジネスの中では言及を避け、韓国の移動体通信化キャリア及びLBS事業者が繰り広げている従来のビジネスモデルと新規ビジネスモデルを中心に説明を付した。 調査方法 本レポートはSecondary Research及び韓国の事業者及び端末メーカーとのインタビューを中心に作成された。レポートの作成にあたり、移動体通信キャリア、端末メーカー、政府機関の発表資料、その他関連企業が発表した各種文献資料、インタビュー記事等を収集した上で、分析を行なった。また現地の動きを反映させるためにインタビューを追加した。 本レポートはLBS事業を推進している日本の移動体通信キャリア、LBS事業者、コンテンツプロバイダ、アプリケーションプロバイダ、政府機関等を対象に作成された。特に韓国のLBS事業者及びプレーヤーとの技術及びサービスにおいて協力または競争が予想される日本の関連企業が活用度を高められるように注力した。 TOP 目次 0 エクゼクティブサマリー 1 LBS市場の出現背景 1-1 韓国の移動体通信市場の環境 1-2 LBSの概念 1-3 韓国におけるLBSの市場規模 1-4 LBS市場が注目される理由 2 位置情報関連技術及び標準化動向 2-1 位置情報関連技術 2-2 韓国LBS関連技術の開発動向 2-3 グローバル技術標準化の動き(Open Mobile Allianceを中心に) 2-4 韓国位置基盤技術の標準化動向 3 LBS関連主要企業の戦略分析 3-1 移動体通信キャリア 3-1-1 SKテレコムのLBS事業推進戦略 3-1-2 KTFのLBS事業推進戦略 3-1-3 LGテレコムのLBS事業推進戦略 3-2 その他事業者及びソリューションメーカーの動き 3-2-1 韓国位置情報株式会社(KLIC) 3-2-2 ユビスタ(Ubistar) 3-2-3 シンクウェア(Thinkware) 3-2-4 ポイントアイ(Pointi) 3-2-5 現代オートネット 3-2-6 サムスン電子 3-2-7 SK C&C 3-2-8 LG電子 3-2-9 韓国電子通信研究院(ETRI) 4 韓国の位置情報保護法に対する分析 4-1 韓国の位置情報保護法とは 4-2 韓国の位置情報保護法の詳細内容 5 韓国LBS市場の今後の展望及び日本市場における示唆点 5-1 ユビキタスLBS技術の進化 5-2 韓国LBS市場の進化方向 5-3 日本LBS市場及び関連企業に対する示唆点 図目次 [図 1]産業間のコンバージェンスを促進するLBSサービスの概念 [図 2]ユビキタスLBSの技術構成要素 [図 3]韓国移動体通信市場の加入者規模の予測(2003年-2008年) [図 4]韓国移動体通信市場の音声/データARPU予測(2003年-2008年) [図 5]LBSの概念及び定義 [図 6]韓国LBSの全体市場規模及び成長率(2002年-2007年) [図 7]韓国LBSの詳細サービス別市場規模(2004年-2005年) [図 8]韓国LBSの市場環境変化 [図 9]韓国LBSの技術構図 [図 10]ETRIのLBSに関する年次別研究内容 [図 11]韓国位置情報(KLIC)のLBS端末具現化ロードマップ [図 12]SKT/LBS商品のリポジショニング及びマーケティングスキームの高度化戦略 [図 13]KTF/K-ways(LBS)端末ラインアップ(2005年10月時点) [図 14]LGテレコム/2005年末アップグレード予定のLBSサービス [図 15]地上波LBSシステム(TDOA)方式の利点 [図 16]KLICのコアLBS事業分野 [図 17]韓国位置情報保護法のコア内容 [図 18]位置情報事業者の許可手続き [図 19]ユビキタスLBSの技術構成要素 [図 20]ETRIのユビキタスLBSの具現化コンセプト [図 21]産業間のコンバージェンス(融合)によるLBS産業のバリューチェーン変化 表目次 [表 1]韓国主要企業のLBS関連の技術開発動向 [表 2]OMA技術事業者の採択現況 [表 3]LBS標準化フォーラム 2003年-2004年の標準化制定内容 [表 4]LBS標準化フォーラムの標準化展開計画(2005年-2008年) [表 5]SKT/LBS商品の詳細サービス一覧表 [表 6]位置情報保護法の行政処分における詳細基準 |